香醋の新規化合物見出す 研究会が発足(2015.3.19)


 北陸先端科学技術大学院大学客員教授の辻野義雄氏ら5名の発起人と、2000年から中国産の香醋を輸入販売する日本恒順㈱など会員企業で構成するフレグライド研究会が19日発足した。日本恒順が手掛ける8年熟成させた香醋から新規化合物ブテノライドを見出し、脂肪代謝に関わるタンパク質PPARγを活性化させるなどの機能を持つことを細胞・動物試験で明らかにした。今後、ヒト試験などで有用性・安全性を追求し、健康食品や医薬品への応用につなげる。機能性表示食品にも対応できる体制も整える。

 同化合物の研究成果では、PPARγが活性化することでアディポネクチン産生量を増加させることや、白色脂肪細胞を脂肪燃焼に関わる褐色脂肪細胞に変化させることでの脂肪代謝活性化の細胞試験に加え、体重変化や内臓脂肪量の抑制、インスリンの分泌量抑制などをマウス試験で確認したことを報告した。

 研究会代表の辻野氏は、「褐色脂肪細胞を増やすことは顔のたるみなどをなくす美容効果の可能性も考えられる」とし、抗メタボ以外の研究も推し進める考えを述べた。研究試料として同香醋を提供する日本恒順の桝谷文武社長は、「販売から15年、ようやく研究成果が見出せた。今後は量産化できる体制を整えていく」とし、原料・OME供給も視野に入れた体制を構築する。

 新規化合物は、香醋のfragrance vinegarのFRAGと、ブテノライド(Butenolide)のLIDE、今後も機能物質を見出せることを期待した〝1〟を組み合わせ、「フレグライド1」と名付けた。


Clip to Evernote

ページトップ