消費者委、食経験について議論 「3世代は必要」の意見も(2015.7.2)
特定保健用食品として申請された「蹴脂茶」の安全性や有効性を巡る答申を1日行った消費者委員会は、消費者庁に提出した答申書の中で、食品の安全性を食経験だけから確認することを巡る見解を記した。同品の関与成分エノキタケ抽出物の安全性については、臨床試験結果などのほかに、2003年から出荷実績があると申請書類では説明していたが、「更に長い年月にわたり、広く国民が食していることが必要である」としている。
答申書などによれば、安全性を食経験だけで確認するには「3世代は必要」などと、相当長い年月が必要だとする意見も一部委員から出た。「遺伝への影響も含め、安全性を総合的に確認する必要がある」ためだとしている。そのため、説明されたエノキタケ抽出物を含む健康食品の流通実績では「広く国民全般に食されているという状況には至っておらず、年数としても短い」とし、この流通実績だけでは「食品としての安全性を確認することはできない」という。
消費者委員会事務局では、同品を巡る審議の中で食経験による安全性の確認についても議論した理由について、「消費者庁から聞かれていた」ためだと話している。