蹴脂茶、トクホとして「適切でない」 消費者委が答申書(2015.7.2)


 「体脂肪が気になる方や肥満気味の方に適している」旨を許可表示とする特定保健用食品として、㈱リコムが申請していた緑茶飲料「蹴脂茶」について消費者委員会は1日、トクホに「認めることは適切ではない」旨を消費者庁に答申し、商品名を隠した形で発表した。申請書類に基づき、有効性は認める一方で、作用機序を疑問視。安全性に関しては、「評価することはできない」などという食品安全委員会が下した異例の評価結果を支持した。トクホとしての可否を最終的に判断する消費者庁の対応が注目される。

 同品の関与成分はエノキタケ抽出物(エノキタケ由来遊離脂肪酸混合物)。リコムでは同成分について、体脂肪減少作用があるとし、その機序については、βアドレナリン受容体刺激作用を介した働きが示唆されると説明していた。

 一部の医薬品の作用メカニズムでもあるこの作用機序を巡っては、最初に審議した消費者委員会新開発食品第一調査会が了承したものの、食安委が根拠を疑問視するとともに副作用の可能性を指摘。その上で食安委は、作用機序がその通りだとしても、「提出された資料からは安全性が確認できない」「作用機序及び安全性について科学的に適切な根拠が示されない限り、安全性を評価することはできない」などと、副作用の可能性を否定できる安全性データが現状では足りないとする評価結果を取りまとめていた。

 しかしリコムでは、長期摂取臨床試験、過剰摂取臨床試験のいずれにおいても有害事象は認められていないと申請書類で説明している。

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