植物発酵エキス 腸内フローラ改善作用示唆(2016.8.25)


 植物発酵エキスの継続摂取によって腸内フローラ(腸内細菌叢)が改善される可能性のあることが、植物発酵エキス原料メーカーのインターナショナルフーズ㈱(東京都多摩市)らが実施した臨床試験で確認された。今後、論文にまとめて国内学術誌に投稿する計画。試験には同社が製造販売する「スーパーオリエント108」を使用しており、試験の結果、腸内細菌叢の多様性が有意に増加することが確認された。

 試験はプラセボ対照二重盲検方式で実施し、被験者として日本人の健常男女20名が参加した。スーパーオリエント108を摂取した人は、摂取4週間後に腸内細菌叢の多様性が有意に増し、排便回数についても増加傾向を示したという。植物発酵エキスに腸内フローラの改善作用が見出されたのは初と見られる。

 腸内フローラを巡る研究は近年になり活発化した。便などから人の腸内細菌叢の状態を細かく解析する新技術も提案されており、腸内細菌の種類が多い人の方が、少ない人と比べて生活習慣病に罹るリスクが低いと言われる。

 スーパーオリエント108は、109種類の植物を原材料にした発酵エキス末。インターナショナルフーズは同素材について以前にも臨床試験を行っており、14年に国内で実施した試験では、便通改善作用や血流改善作用が示唆されていた。同社の島田佳典社長は、「腸内フローラは新しい研究分野。引き続き試験を実施し、データを積み上げていきたい」と話す。

 同社は植物発酵エキスの製造販売で30年以上の実績がある。栄養成分含有量や残留農薬などの分析を定期的に実施し、品質と安全性の担保を徹底してきた。その中で、機能性についても科学的根拠に基づき説明できるようにする目的で、ここにきて臨床試験の実施など研究投資を活発化させている。

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