医師に求める課題増える 機能性表示制度で金澤氏(2013.12.9)
日本健康・栄養食品協会の機能性評価事業にも携わる金澤一郎国際医療福祉大学大学院長は7日、日本機能性食品医用学会総会(矢澤一良総会長・東京海洋大学特任教授)で特別講演し、今後、健康食品の機能性表示制度が運用されることになれば、医師に求められる課題は増えてくると語り、医師が健康食品に関する情報を容易に得られるような仕組みが必要だと訴えた。
金澤氏は「食品の機能性を科学する―医療との接点を求めて―」をテーマに講演。今や国民の6割が健康食品を摂取している現状や、機能性表示の実現などにより、患者が成分の効果や薬との併用、副作用リスクなどについて、医師に問いかけるケースが増える可能性を指摘。一方で医師はこれらに対する情報が不足しているとも語り、情報提供の仕組みが必要との認識を示した。
同氏はまた、機能性表示制度の検討の中で、表示・広告や、機能性を評価するためのガイドラインの検討を求めたほか、必要なら経済産業省などにも協力を求めるべきとの私見を語った。
なお同学会総会は7、8日の2日間にわたり行われ、「フラボノイドの生理機能研究の最前線」「免疫とプロバイオティクス」「メタボリックシンドロームに取り組む機能性食品」などのシンポジウム、超高齢時代の健康寿命実現のための新たな栄養学に関する講演とともに、口演・ポスター発表でシラタマカズラ葉の肥満抑制効果、ホタルイカの血糖値上昇抑制作用、カワラタケ菌糸体抽出物の抗酸化作用、落花生種皮の抗糖化作用、食品由来カフェオイルキナ酸の神経細胞保護効果など、最新の機能性研究が報告された。
【写真は金澤一郎氏】