調査540件超 措置命令27件 消費者庁 16年度の景表法運用状況(2017.7.3)
消費者庁が6月30日に公表した2016年度の景品表示法運用状況によると、同年度の調査件数は、前年度と比べて約20件少なかったものの、543件に上った。うち188件は前年度繰り越し分で、新規に着手したのは355件。また、外部からの情報提供件数としては約7900件(15年度約9660件、14年度約6330件)あり、うち約930件が食品表示に関する内容だった。
16年度に処理した事件件数は計315件に上った。内訳は、措置命令が27件、課徴金納付命令が1件、違反の「おそれ」があると認められた場合に社名などを公表しないで行う指導が138件、都道府県による処理が適切と判断し移送したものが80件──など。
うち、効果的な法執行を行う目的で、健康増進法との一体的運用を図っている健康食品の表示に関しては、措置命令が、特定保健用食品(トクホ)の許可要件に関する不当表示で2件、豊胸効果に関する不当表示で1件など計7件。また、健増法に違反(誇大表示の禁止)する恐れがある事案について46件に指導を行ったという。
公表資料では、指導を行った健康食品に関する不当表示の概要についても社名などを伏せた上で一部明かしており、それによると、優良誤認に関しては、トクホの表示許可を受けていないにもかかわらず、「トクホの許可マークと共に、トクホの認定を受けた〇〇を使用などと記載」することで、トクホであるかのような表示を行っていた事案があったという。措置命令に至らなかった理由は明かしていない。
また、有利誤認での指導事案としては、定期購入をめぐる消費者トラブルにつながる場合が多い、いわゆる「お試し価格」表示があった。初回限定で通常よりも安価で購入できる条件に関する表示について、強調表示から離れた箇所に他の文字と比べて小さく記載しており、「相当程度の注意を払わなければ気づくことがない表示を行っていた」として指導を行った。