衆院選 自民圧勝 健康食品規制改革の進展期待(2017.10.23)


 第48回衆議院議員選挙は22日に投開票され、自民党が単独で「絶対的安定多数」と呼ばれる261議席以上を大きく上回る280以上の議席を獲得し、大勝した。自民党総裁の安倍晋三首相による政権運営は継続され、安倍首相は、遅れが指摘されている規制改革を加速させる可能性がある。

 規制改革の「賜物」である機能性表示食品制度の立ち上げに水面下で関わったといわれ、同制度をテーマにした健康食品業界専門紙の紙面座談会にも参加していた経緯がある、自民党現職大臣(厚労相)の加藤勝信氏(岡山5区)も危なげなく当選した。

 消費者団体「食の安全・監視市民委員会」が衆院解散を受けて主要政党に対して行い、ウェブサイトで公開している「食の安全に関するアンケート結果」によると、自民党は機能性表示食品制度をどう評価するかの設問に対して「評価できる」と回答。一方、今回の衆院選で公示前16議席から大きく議席を伸ばし、野党第1党に躍進した立憲民主党は、「消費者委員会専門調査会の議論を踏まえ、制度全体を見直す必要がある」などと答えている。

 健康食品に絡む規制改革を巡っては今後、内閣府・規制改革推進会議のワーキンググループ(医療・介護)で、機能性表示食品の対象拡大を視野に入れた、食薬区分の運用見直しに向けた検討が始まる見通し。衆院選の結果次第で検討そのものが頓挫してしまう可能性を懸念する声もあったが、予定通り年内中にも検討が始まりそうだ。

 自民党の大勝を受け、機能性表示食品制度創設の立役者、森下竜一・規制改革推進会議委員も、規制官庁に対して引き続き辣腕を発揮するものとみられる。

 ただ、官邸主導の規制改革は反発も呼んだ。立憲民主党の大躍進は、そうした強引なやり方に待ったを掛けたい国民の意向が反映されたものともいえる。機能性表示食品など健康食品に関する規制改革は今後も引き続き求められるが、これまで以上にその「手法」が問われることになりそうだ。
 

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