花王、機能性表示食品に参入へ 「歩行能力維持」で届出 関与成分はスフィンゴ脂質(2017.10.26)
花王が機能性表示食品に参入する。昨年8月から全国のイオンの店頭で販売していたタブレット型サプリメントの届出を消費者庁が受理、25日に公表された。訴求する機能は、加齢によって衰える「足の機能のサポート」「歩行能力の維持」。機能性関与成分としたのは、今回が初の受理となる乳由来スフィンゴミエリン。脂質成分が受理された。
花王による機能性表示食品の届出は初。「リファイン MFGM」を商品名とするサプリメントを届け出た。製造者は京都の日本タブレット。
届出表示は「50代以上の方が、ウォーキングなどの運動と併用することで、加齢によって衰える、踏み出す、止まるといった、足の動きをサポートして、歩行能力の維持に役立ちます」とした。表示の科学的根拠としては、最終製品の臨床試験論文2報を届け出ている。
機能性関与成分のスフィンゴミエリンはスフィンゴ脂質の一種。保湿機能で知られるセラミドの関連成分でもあるため、乳由来のものは「ミルクセラミド」と呼ばれることもある。従来、美容食品向け素材として利用されるのが一般的だった。
栄養素でもある脂質を機能性関与成分にした届出を巡っては、一部例外はあるが、消費者庁は受理しない運用を行っていたとされる。ただ、今回受理していることから運用を変えたもよう。リン脂質の一種であるフォスファチジルセリン(PS)なども認められる可能性がある。
花王の届出資料に記載された「リファイン」の販売開始予定日は来月15日。既存商品では、パッケージ正面に「アクティブで前向きな毎日を」と訴求点があいまいな表示を行うにすぎなかったが、機能性表示食品では、「加齢によって衰える足の動きをサポートして、歩行能力の維持に役立つ」と分かりやすく表示する。