オムニカ、植物エキス工場を竣工 静岡裾野市に11月(2018.2.19)


 サプリメント原材料メーカーのオムニカが植物抽出物の製造工場を静岡県裾野市に竣工させる。稼働開始は今年11月から年末の予定で、機能性表示食品制度に対応する新製品のほか、主力製品の一部を既存工場から移管して製造する計画。臨床試験で確認された有効性や安全性を全ての製造ロットに再現させるため、天然由来抽出物では製造時に発生しがちな規格誤差を緻密に制御できるプラントを設計した。投資額は非公表だが、土地購入費用を含めて40~50億円と推測される。

 同社の高尾久貴社長が13日、取材に応じた。新工場の建設地は、静岡県裾野市の今里工業用地で、敷地面積は約1万2800平方㍍。同用地は県の「内陸フロンティア推進区域」に指定されており、東名高速道路裾野インターチェンジから約2㌔㍍の位置にある。昨年3月に市と売買契約を結んでいた。

 新工場の竣工準備に着手したのは4年前。工場およびプラントの設計・建設はゼネコン大手の清水建設が担当する。プラントは、「植物エキス製造所としては前例を見ない精密な技術装置」(高尾社長)を選定して設備全体を設計。これにより、植物抽出物の品質管理に求められる反応速度や均一化などの製造パラメータを精密にコントロールすることで、製造ロットごとの含有成分量の微妙なバラつきなど、規格誤差を緻密に制御できるようにする。

 プラントの製造能力については、「抽出溶液の処理量として1日あたり200㌧」(同)。具体的には、「あくまでも例えば」として主力製品のビリベリー果実エキスを引き合いに出し、それのみを製造した場合で「月間10㌧換算」と言う。

 生産品目など具体的な製造計画については「現在検討中」(同)としている。そのため新工場の製造能力は実際の製造計画とは無関係にイメージするほかないが、分かりやすくするためビルベリー果実エキスを想定すると、その国内年間流通量に相当するキャパシティを具備させたことになる。サプリメント向けの植物抽出物プラントとしては異例の規模になりそうだ。


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