第1回日本黒酢研究会に、120名以上(2014.1.27)
黒酢の機能に関して研究者が情報交換し、討議する場をつくることを目的に、昨年9月に設立した日本黒酢研究会(矢澤一良会長)の第1回学術研究会が東京海洋大学品川キャンパス内「楽水会館」で24日、開催され、120名以上が参加した。参加者に配布された当日の発表要旨集を含む124ページ立ての同会会報誌第1号には、黒酢に関する論文データベース計56報が巻末資料として掲載された。
この日の研究会では計10講演が行われ、このうち壺づくり黒酢など黒酢の機能性を巡る研究発表では、SIRT1遺伝子発現促進作用、脂質吸収阻害など抗肥満作用、高血糖抑制作用、高血脂症抑制、認知機能低下予防作用、血液流動性改善作用に関してそれぞれ大学研究者による報告が行われた。会の終了後、参加者からは、「こんなに研究されているとは知らなかった」などと驚く声も聞かれた。
SIRT1遺伝子発現作用を報告した柴山良彦・北海道大学大学院薬学研究院准教授は、壺づくり黒酢を1日1回10日間連続でマウスに経口投与したところ、SIRT1メッセンジャーRNAおよびSIRT1タンパク質の両方について、水投与群に比べて発現量が上昇。酢酸投与群との比較でも同様だったと話した。
また、抗肥満作用を報告した佐藤匡央・九州大学大学院農学研究院准教授は、黒酢は酢酸よりも脂肪蓄積を下げ、その分化を抑制するなどの知見を示しつつ、黒酢による同作用の活性本体は黒酢に含まれる「機能性ペプチドの可能性もある」との考えを述べた。抗肥満作用に関しては、㈱えがお研究開発部の濱舘直史氏も二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験の結果を報告した。