ホップでアルツハイマー病予防 サッポロビール(2014.1.30)
サッポロビール㈱と京都大学・笹岡紀男教授らグループは30日、ホップ抽出物にアルツハイマー病の発症を抑える効果があることを、モデルマウスを用いた試験で明らかにしたと発表した。同研究成果は米国の科学誌「PLoS ONE」に掲載された。
同研究ではまず、アルツハイマー病の原因とされる神経細胞死を引き起こすタンパク質アミロイドβ産生を引き起こす酵素γセクレターゼ活性を抑制する物質について植物エキス1600種をスクリーニングし、ホップ雌株の球花エキスを同定。アルツハイマー病モデルマウスを用いて同エキス2gを含んだ水を若齢期から飲用させた。
水迷路を用いた空間学習の効果を測定する行動実験の結果から、エキス非摂取マウスでは9カ月齢から記憶・学習能力の低下が見られたが、エキス摂取マウスでは低下が観察されたのは15カ月齢以降で、アルツハイマー病の発症が顕著に遅延することが判明した。また、脳内アミロイドβの蓄積を調べた染色結果から、エキス摂取マウスは非摂取マウスと比較し有意にアミロイドβの沈着が減少していた。