金印「ワサビスルフィニル」 わさび成分で届出目指す (2018.6.7)


 わさび加工品原料を展開する金印は、本わさびから抽出した6-メチルスルフィニルへキシルイソチオシアネート(6-MSITC)を有効成分とする原料「ワサビスルフィニル」(商品名)に関して、今秋にも、機能性表示食品の届出に向けた論文、研究レビューなどを整える考えを本紙の取材に対して明らかにした。同素材を使ったユーザーの届出を支援する。

 同社によると、機能性表示は「運動習慣のない方の情報処理・判断能力を高める」などを想定する。実施したヒト試験は、運動習慣のない45歳から68歳までの37名を対象に、プラセボ群18名と試験食品群19名に分け、試験食品群には「ワサビスルフィニル」を1日100㍉㌘、8週間摂取してもらい、一定期間毎に情報処理・判断能力を測定するストループ試験を実施するというもの。

 試験の結果、同試験のステップ1段階と同4段階で正答数や達成数で有意な差が見られたとしている。

 機能性表示を念頭に「既存サプリメントのリニューアル向け原材料としても積極的に提案していく」(同社開発本部・三浦陽介氏)方針。同社によると、In-vitro試験では、「ワサビスルフィニル」とDHA、クルクミン、イソラムネチンなどとの併用で、より高い脳神経の棒状突起伸長促進作用やドーパミン産生促進作用が確認されたとしており、特にDHAとの併用では「高い相乗効果が期待できる」(同)としている。

 「ワサビスルフィニル」は、2006年に商標登録しており、すでに運動時酸化ストレス、美肌、膝関節痛、育毛作用などに関するヒト試験を実施しているが、「サプリメント向け原料供給では、機能性表示の届出を行うことで差別化を図りたい」(同)としており、引き続きエビデンスの強化に取り組む方針だ。

 今後は米国のアルツハイマー病関連の学会にも参加する予定で、国内外で市場開拓に乗り出す考え。

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