先月26日急逝した日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の宗像守事務総長の後任事務総長に、東京薬科大学前理事長の今西信幸氏が20日、正式に就任した。今西氏は同日午後都内で就任会見を行い、「宗像の描いたドラッグストア業界の将来ビジョンを現実のものにして宗像に見せてあげたい」と語り、前事務総長が目指した路線を引き継ぎ、さらに前進させる意向を示した。
今西氏はまた、ドラッグストアは「(疾病)予防の担い手として(今後さらに)活性化していく」との認識を示したうえで、「特に栄養士の役割が重要。薬学的な知識も併せ持つ『ヘルスケア栄養士』のようなものを育成していきたい」と述べた。前事務総長が「ドラッグストア業界10兆円産業化」を目指すにあたり重要施策の一つに据えていた「食と健康」新カテゴリー市場の創出についても、管理栄養士などを活用しながら実現していく方向性を引き継ぐ考えを示した格好だ。
今西氏は、宗像氏が設立に大きく関わりJACDSとの関係も深い、ヘルスケア関連産業が横断的に参画する「日本ヘルスケア協会」の会長を現在務めており、JACDS事務総長と兼務することになる。一方、同時に務めていた日本保険薬局協会傘下の日本薬局学会理事長および評議員は20日付で全て辞任したという。
今西氏は1970年に東京薬科大を卒業、90年に同大で医学博士号を取得。専門は臨床薬理、医療経済学。