欧州から新・スポーツ素材 (2018.11.8)
新たなスポーツニュートリション原材料が日本市場に投入される。過剰摂取リスクに対する規制強化の動きが海外で強まっているカフェインの代替となることを念頭に開発された植物抽出物。そのためスポーツだけでなくメンタル系素材の側面も持つ。日本ではアスク薬品が取り扱う。
ザイナマイト、アスク薬品が発売へ
この新素材は、スペインの天然物抽出メーカー、ネクティウム(旧ポリナット)が開発したマンゴー葉乾燥エキス。「ザイナマイト(Zynamite=登録商標)」の名称で今年発売されたばかり。アスク薬品によれば、イタリア、フランスなど欧州を中心に現在販売されており、来年からは北米でも発売予定。アジアでも日本のほか中国、東南アジアなどでの販売が検討されているという。
規格成分はマンゴー葉由来マンギフェリンで、含有量は60%以上と比較的高濃度。同成分は脂質代謝改善や血糖値上昇抑制の機能性が知られるが、ザイナマイトはそれら既存機能に加えてカフェインを代替する「身体・精神エネルギー」向上機能が新たに付加されたかっこうだ。
アスク薬品によれば、同素材の運動パフォーマンス(身体エネルギー)向上機能を巡っては、これまでにアスリートを被験者にした複数の臨床試験(RCT)で有効性が示唆されている。そのうち、試験期間中にカフェインを一切摂取しない条件下で行われたRCTでは、運動負荷時のパフォーマンス(平均出力、酸素摂取量、筋力など)について、プラセボ群と比べて有意な向上、改善が認められた。
一方、「カフェイン代替」を訴求される背景には、動物を使った薬理試験の結果がある。
カフェインを投与した場合と酷似したパターンで脳波が活性化し、ドーパミンやノルアドレナリンの作動性シグナル伝達を増強するという。この点は臨床試験結果からも示唆されており、アスク薬品によると、ストレスや疲労感の軽減、計算能力の改善などが認められているという。
〝カフェイン・リプレイスメント(代替)〟は海外では強い訴求力を持つようだ。ザイナマイトは欧州で今年開催された展示会「Vita Foods」の〝ニュートラ・イングリーディエント・アワード〟でスポーツニュートリション賞を受賞した。アスク薬品では本格販売を年明けから開始する計画。