「食と健康」  実証実験第2弾 来月から 店頭で情報提供 あり方探る(2019.1.24)


 「食と健康」を旗印にした新市場創出を目指すドラッグストア(DgS)業界団体、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、一昨年に実施した食と健康市場創出に向けた「実証実験」を、規模を拡大する形で来月から新たに始める。

 協会設立20周年事業の核事業「『食と健康』市場創造プロジェクト」の一環として実施するもの。実証実験結果は6月までにまとめ、会員企業に周知する。これを「DgS業界10兆円産業化」の実現に向けた一助としたい考えだ。

 「食と健康」実証実験第二弾の実施期間は来月1日から3月末までの2カ月間を予定。前回の実証実験店舗は2店舗に限られていたが、今回はウエルシア薬局戸塚店▽スギ薬局柏豊四季店▽フィットケアデポ北すすき野店▽トモズ八王子店―の4店舗に規模を拡大。他に、ツルハ、マツモトキヨシ、サンドラッグが一部参画することになるという。

 JACDSによると、今回の実証実験の内容は、「陳列、POP、掲示などを含めた売り場づくり」「情報提供体制の整備」の大きく2つ。他にも、地域包括支援センターとの連携、市民健康セミナーの開催、マスメディアによる広報・告知、地域薬局との連携―に取り組む予定だ。

 横浜市内の2店舗で実施された前回の実証実験では、サプリメント形状を中心にした機能性表示食品などの保健機能食品や、健康食品などヘルスケア食品のほか、プロテイン、スマイルケア食品(介護食品)などで構成した棚を店舗に導入。従来行えなかった部位別・目的別に分類した棚割りも行い、来店客の反応を探った。

 今回の実証実験も基本コンセプトに大きな変わりはなさそうだが、前回実証実験で抽出された課題を踏まえ、棚に置く食品は一般加工食品にも拡げるもよう。また、今回は、「食と健康」に関する店頭での情報提供の在り方の検証にも力を入れたい意向があるようだ。

 今回の実証実験で検証に取り組む「情報提供体制の整備」では、管理栄養士による栄養・健康相談会も実施する予定。JACDSでは、「食と健康」新市場創出に必要不可欠と見て、DgS業界全体で管理栄養士の活用を強化する方針を掲げており、日本栄養士会との協力関係構築も進めている。今回の実証実験を通じ、栄養や食事の専門家である管理栄養士が本来持つ職能を店頭で発揮していくための方策を探ろうとしているようだ。

 情報提供では他にも、健康食品・サプリメント原材料に関する情報を網羅した『ナチュラルメディシンデータベース』も導入する計画。棚割りや表示を通じた情報提供以外に、専門家やデータベースを通じた情報提供の在り方が探られることになりそうだ。

 来月からの実証実験の結果についてJACDSは、まず、「食と健康」に関する特別ゾーンを“目玉”の一つとして3月に開催する『日本ドラッグストアショー』で中間報告を行う。

 その後、6月までに「『食と健康』市場創造マニュアル」として実証実験結果を取りまとめ、会員企業に周知する。そして、「食と健康を通しドラッグストアが健康寿命延伸を図る新業態になるための普及啓発活動を継続的に実施する」(事務局)としている。マスメディアとも連携していきたい考えだ。



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