エクオールで論文投稿40報 臨床研究報告も 大塚製薬(2014.2.17)
大豆イソフラボンの活性本体などとも言われるエクオールを巡り、大塚製薬㈱の共同研究先が投稿した論文件数は、これまでに約40報にのぼることが分かった。エクオール含有大豆乳酸菌発酵食品の機能性について同社では、60~100名規模のプラセボ対照二重盲検臨床試験で、更年期症状の軽減、閉経後の骨密度減少の軽減などに働くことを確認している。
エクオールは、大豆イソフラボンの一種ダイゼインの代謝産物。エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌により代謝されるが、腸内に同菌を持つ人は日本人で5~6割、欧米人では2~3割程度といわれる。
ほかに同社らがエクオール含有大豆乳酸菌発酵食品の摂取に伴う機能として臨床試験から見出したのは、肥満傾向があり薬物治療中の閉経後女性の動脈硬化の軽減・悪玉コレステロールの減少や、閉経後女性の眼尻のシワの軽減など。試験に使用したのは、大豆をエクオール産生乳酸菌で発酵させて調整した発酵食品で、抽出・濃縮などは行っておらず、形態は錠剤となっている。
試験概要を見ると、例えば更年期症状の軽減に関しては、ホットフラッシュ(ほてり)症状のあるエクオール非産生者の閉経後女性を対象にプラセボ摂取群60名と、エクオールとして10mg摂取群60名に無作為に分け、12週間継続摂取してもらった後、症状の程度を専門医が評価。その結果、ホットフラッシュと肩こりについて、エクオール摂取群はプラセボ群に比べて有意な改善が認められたとしている。
同社では06年、エクオールを産生する乳酸菌「ラクトコッカス20‐92」株を発見、単離に成功したと発表し、自然発酵させたエクオールを食品として摂取できることに先鞭を付けていた。