非医→専ら医 区分変更案を再び提示 厚労省が今月2度目 ヒメツルニチニチ草など5品目(2019.11.25)


 厚生労働省が食薬区分リストを見直す考えを再び示した。同省監視指導・麻薬対策課は21日付で日本健康・栄養食品協会に事務連絡を発出し、現行食薬区分の専ら非医薬(非医)リスト収載のイボツヅラフジの全草など5植物について、専ら医薬(専ら医)への移行を検討していることを明かした。同省は今月18日、非医リストに現在収載されている10植物を専ら医に移行するなどの食薬区分一部改正を行うとして、パブリックコメントを開始していた。

 今回新たに非医から専ら医への移行候補として示された品目は以下の通り。

 イボツヅラフジ(Tinospora crispa)の全草▽シンキンソウ(ヒカゲノカズラ)の全草▽センソウトウ(トウゲシバ)の全草▽ノゲイトウ(セイショウ)の種子▽ヒメツルニチニチソウの全草──。区分移行を検討している理由については、「安全性等に関する新たな知見が得られた」などとしており、事務連絡では移行理由を個別に示している。

 同課は以上5品目の区分変更に対する意見を業界や事業者から求める。事務連絡によれば、「専ら医への移行を希望しない等の意見等」があれば、所定の様式に必要事項を記載し、「必ず意見等の根拠となる毒性、安全性等に関する資料を添付」の上で、来年1月10日までに、同課のeメール「shokuyakuiken@mhlw.go.jp」まで連絡するよう求めている。所定の様式については日健栄協が25日午後、事務連絡の書面とともに会員企業にメール配信している。

 18日に始まった意見募集で示された区分変更候補リストと、今回新たに示されたリストの内容を比べると、今回はヒメツルニチニチソウやセンソウトウなど、現在流通している品目が目立つ。また、なかには機能性食品素材化に向けた産官学連携研究が日本国内で比較的最近行われた品目もあり、専ら医への区分変更は業界内外に大きな波紋を呼ぶことになりそうだ。

 監麻課では今後、業界や事業者からの意見を集めた上で、食薬区分に関する審議を行う有識者ワーキンググループに諮るとみられる。区分変更は不要であることを証明できる安全性に関する科学的根拠情報を、業界や事業者が提示できるかどうかが焦点となる。

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