「お試しのはずが定期に」相談〝激増〟 国セン、3度目の注意喚起(2019.12.19)


 国民生活センターは19日、健康食品や化粧品などの通信販売における「お試しのつもりが定期購入」問題を巡る相談件数が増加し続けているとして、一般消費者に注意喚起するとともに、消費者庁に対して、特定商取引法に基づき、厳正かつ適切な法執行を行うよう要望した。この問題で国センが注意喚起するのは今回で3度目。国センでは、「100社以上が同じ手口で販売している」「販売手口が一種流行化している」(相談情報部)と指摘している。

 国センによると、この問題についてPIO‐NETに登録された2019年度の相談件数は、4月から11月までの8カ間で2万9177件にも上る。昨年同期比は約230%と激増しており、18年度の2万3002件を早くも上回った。

 国センでは16年、17年の2度にわたり、増え続ける定期購入を巡るトラブルに関して、商品注文時の定期購入などの契約内容や解約条件などを確認することなどを消費者に注意喚起してきた。しかし、相談件数は減る気配が見えないどころか増加の一途をたどっている格好だ。

 国センによると、相談事例の傾向として、低価格で商品が購入できることなどを訴求する強調表示に対し、それは定期購入が条件であることなどの打消し表示が販売サイト上で認識しづらい状況が多い。また、これまでは消費者がインターネットで商品を検索し販売サイトに至るケースが多かったが、最近の傾向として、動画投稿サイトやSNS上の広告をきっかけに販売サイトにつながるケースが多く見られる。

 その他にも、消費者が解約したい旨を電話するも、通話中などつながらないなどの相談も増えている。これら「連絡不能」の件数は、今年4月から10月までに8411件に上り、昨年度の7425件を上回った。

 こうした定期購入トラブルの激増について国センは、「複数の事業者が同じような手法で販売している」と指摘。ある事業者に関する相談が落ち着いてきても、新たな事業者が同じような手法で販売するため、相談件数が増え続けていると説明している。

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