ファンケルとキリンHD フレイル対応など開発推進 (2020.2.6)


 フレイルに対応するサプリメントの共同開発をファンケルとキリンHDが進める。昨年の資本提携締結に伴う協業事業の一環。生活習慣病、女性サポート、栄養問題──などに対応する製品の他、化粧品なども形にしていく計画だ。こうしたシナジー事業を通じて、ファンケル単体で2024年までに売上高を約130億円、営業利益約20億円の創出を狙う。

 ファンケルとキリンHDは昨年8月、双方の持つブランド力や技術などでシナジーを創出し、新たな領域の商品開発を進めることなどを目的に資本提携を締結。以降、注目されていた協業事業について両社とも情報発信することはなかったが、ファンケルは先月30日に開いた20年3月期第3四半期決算説明会の中で、20年から24年まで5カ年の事業構想を発表。キリンHDとの協業で、フレイルや生活習慣病などに対応するサプリメントを開発していくことを明らかにした。

 決算説明会はアナリスト向けに開催。ファンケルが公開した当日の音声資料によると、同社の島田和幸社長は、キリンHDとの協業で「少子高齢化に伴う健康不安を解消する商品の開発」に注力する方針を示した。これにより、ファンケル単独で24年までに売上高約130億円、営業利益約20億円のシナジー効果を創出したい考えだ。

 資本提携後、両社はマーケティング部門を中心に商品開発、販売チャネル、インフラなどの分野でキリンと話し合いを重ねており、商品開発シナジーについては、まず、両社のブランドを活用したドリンクでのコラボレーション展開から始める。

 そして、中期的には両社で保有する独自素材を生かしたサプリメント、化粧品などの開発に着手。さらに長期的には、「生活習慣病」「腸内環境」「化粧品の独自素材開発」などの分野で共同研究を進め、新たなビジネスを創出していく計画だ。

 開発商品の投入時期については、年内にコラボ飲料を2~4品発売する予定。サプリについては「(キリンHDの)プラズマ乳酸菌、オルニチンを活用し、今年後半にも販売する予定」(島田社長)という。「フレイル」「生活習慣病」「女性サポート」「栄養問題等」に対応するサプリは来年以降、手掛ける計画だ。

 共同研究も進んでいる。現在、約15のプロジェクトが立ち上がっており、サプリ分野の研究では、「腸内環境」及び「脳機能」のカテゴリーを第1弾として展開する。腸内環境では、キリンのプラズマ乳酸菌やKW乳酸菌を候補素材として共同研究に取り組む。脳機能についてはファンケルのフェルラ酸、キリンの熟成ホップ由来苦味酸及びβラクトリンを対象に研究。3年以内に市場投入する予定だ。

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