シアリルラクトース、「専ら非医」入り濃厚 ワーキングG、「妥当」と判断 アポエクオリン等も(2020.4.23)


 厚生労働省監視指導・麻薬対策課は、昨年12月と今年2月に開催した「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」(WG)の議事概要を23日までに公開し、食薬区分の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り専ら医薬品と判断しない成分本質」(専ら非医)に、シアリルラクトースやアポエクオリンなど複数の品目を新規収載する方向にあることを示唆した。

 通常であれば、WG議事概要の公開とほぼ同時に開始される、食薬区分一部改正案に関するパブコメ(意見募集)は今後となる。同課は取材に「近々開始する」と答えた。

 新たに公表されたWG議事概要は昨年12月9日、今年2月18日開催分の2つ。同課は、年1回程度を常としていたWGの開催頻度を昨年から高めており、令和元年度は計4回開催した。

 直近2回のWGで専ら非医とすることが「妥当」と判断されたのは、タマラニッケイ(葉)▽タデアイ(葉・茎)▽アポエクオリン▽カツオ(肝臓)▽3'‐シアリルラクトース▽6'‐シアリルラクトース▽ゼラニウム・ディエルシアナム(全草)──。いずれも新規成分本質として食薬区分が審議された。

 シアリルラクトースは、ヒトの母乳に含まれるとされるオリゴ糖の一種で、ここにきて注目を集めているヒトミルクオリゴ糖(HMO)と密接に関連する成分。アポエクオリンは、米国でサプリメントとしての開発実績があるようだ。クラゲ由来の発光タンパク質との情報もある。ゼラニウム・ディエルシアナムは、いわゆる「南米ハーブ」の一種。数年前から日本でも抽出物が販売されている。

 一方、同様に審議された霊芝(菌糸体)、コウキクサ(ミジンコウキクサ、全草)については、判断が保留された模様だ。議事概要によると、霊芝(菌糸体)については、「食経験に関する資料がなく、『菌糸体』を使用していることが判断できなかった」などとされている。

 この他、医薬品成分シルデナフィルの類似化合物であるノルカルボデナフィルをはじめノルタダラフィル、プロポキシフェニルノルアセチルデナフィル、ジメチルジチオノルカルボデナフィルは、専ら医薬とすることが妥当と判断された。

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