コロナ禍の展示会を歩いて「入り少ないが商談早い」(2020.9.10)

展示会 写真①

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年3月以降、大小ほとんどの展示会が中止となった。そうしたなかで9月2日~4日にかけて、東京ビッグサイトにおいて「第7回国際ヘルス&ビューティグッズEXPO夏」が開催。新型コロナ禍における展示会の様子に関心をもっている業界関係者は少なくないだろう。そこで本紙は業界の耳目となり、初日と最終日に同展示会の各ブースを訪ね歩いてみることにした。

 初日午後。政府の方針で、イベント入場者は、同じ会場には同時に5000人以下という制限がなされている。5000人を超える場合は、入り口で入場制限がかかる仕組みだ。
 同展示会は、東京ビッグサイトの西展示棟、南展示棟で、同時期に開催される8つの展示会のうちの1つ。会場内は、会場が巨大なうえ、入場制限もかけられているためか、コロナ前の各展示会に比べて、人がまばらに感じられる。

 まずは、昨年も見かけた健康食品会社のブースに足を運んだ。
 「3年連続で出展しているけど、今年は特に少ない。昨年までは外国人のお客様であふれていたが、今年はインバウンドがゼロ。ただ、もっと悪いかと思っていたが、思っていたほど悪くはない」

 他の健康食品会社のブースも数件訪ねてみたが、みな同じような感想であった。各出展者は一様に「最悪」を想定していたものの、案外よい感じで商談ができていて、かえって拍子抜けしているという印象を受けた。

 今回初めて出展したという企業は、「常に商談していくお客様が1人か2人いる感じ。これが多いのか少ないのかわからない。ただ、いい商談ができているので、展示会は便利だと感じている」と話していた。

 初日だけでは、不足を感じた。最終日の午後も同様に歩いてみた。
 まず、初日に訪ねた3年連続出展している企業。「今年は人数が少ないが商談が早い。商品をその場で試したいという人も多い。これはオンラインでは不可能。対面商談の良さがでている」

 他のブースにも話を聞いて回ると、みな商談のペースが早い、とまるで口裏を合わせたように同じことをいう。あるいは規制のせいで、会場内の人数が少ないことも関係があるかもしれない。

 中には「出展者が少なく、競合会社が出展していないせいか、同種の商品を求めてお客様がすべてうちに回ってくる。来場者数は少ないようだが、うちに限って言えば、効率が良すぎて申し訳ないぐらいだ」という、出展者もいた。

 この稿を書いている7日に、主催者のリードエグジビションジャパンから来場者数の速報が届いた。最後に本イベントの来場者数を紹介しておく。3日間来場者数合計1万3205人、VIP来場者数3605人、来賓数7人、総合計1万6817人。

【写真=入場制限の中、行われた「第7回国際ヘルス&ビューティグッズEXPO夏」


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