興和、「判然としない点ある」 表示差止申し入れに回答(2020.10.22)

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 興和が販売する飲料および健康食品「カンゾコーワ」の表示は景品表示法が禁じる優良誤認のおそれがあるなどと主張し、特定適格消費者団体の消費者支援機構関西(ケーシーズ)が同社に表示差し止めを申し入れている問題が長期化しそうだ。

 興和は申し入れに対する回答書を10月1日付でケーシーズに提出。カンゾコーワで行っている表示は優良誤認に「該当し難い」としてケーシーズの申し入れを疑問視する姿勢を示した。ただ、指摘を真摯に受け止め、表示の変更を検討する考えも提示している。

 その一方で、ケーシーズの主張の理由に「判然としない点」があるとして逆に質問を投げかけた。表示変更の検討を進めるためにも回答するよ求めている。

 この問題(本紙第1025号既報)は、カンゾコーワの商品容器はじめ包材、テレビCM、ウェブサイトで興和が行っている「『飲み会』を科学する」などといった表示が優良誤認に該当するとして、ケーシーズが同社に表示差し止めを申し入れているもの。

 ケーシーズは、アルコールを分解したり、二日酔いを防止・緩和したりする効能・効果がないにもかかわらず、そうした効果があると消費者に思わせるなどと主張している。

 興和からの回答書はケーシーズがホームページに10月12日付で公開した。ケーシーズは同20日現在までのところ回答内容に対するコメントを出していない。申し入れでも改善が見られないと判断した場合、次は、差止請求訴訟を提起する「最後通告」に該当する差止請求書を同社に差し出す可能性がある。

 カンゾコーワの公式ウェブサイトでは、10月20日現在も「『飲み会』を科学する」に代表される、ケーシーズが優良誤認性を指摘した表示を確認できる。

 申し入れに対する回答書で興和は、ケーシーズが主張するような誤認を消費者に与えない措置を講じていると説明。カンゾコーワは清涼飲料水あるいは栄養補助食品であることなどを明示することで、二日酔いなどを防止・緩和する効果・効能を有する医薬品であるかのような誤認を消費者に与えない措置を講じているとした。

 ただ、興和はケーシーズの指摘を真摯に受け止める姿勢も示している。その上で、消費者に「より適切な情報」を提供できるよう、「(問題が指摘された)本件各表示を考慮し」、商品ラベルや販促資材などの変更について検討を進めるとしている。

 その一方で、ケーシーズの主張の理由に「判然としない点」があると逆に指摘。回答書で、表示を見た消費者が二日酔いを防止するなどの効果・効能があると誤認する可能性が高いと言える理由などを尋ねた。表示の変更検討を進める前提として質問に回答するよう要求している。

【写真=ケーシーズが表示を疑問視した「カンゾコーワ」のホームページ。「『飲み会』を科学する11種類の成分」の表示差し止めも求めている】

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