エネルギー指標にBMI採用 15年版食事摂取基準(2014.3.17)


 厚生労働省の検討会は14日、2015年版の食事摂取基準の検討会報告書を取りまとめた。生活習慣病の重症化予防の視点を採り入れ、関係する治療ガイドラインとの調和を図ったほか、特に重要な栄養素等については学術データなどを引用して説明を加えた。また、18歳以上の成人ではエネルギーの指標にBMIを採用。総死亡率を最も低く抑えるために望ましいBMIを算出のうえ、目標となるBMI数値(範囲)を示した。15年版食事摂取基準は今夏にも大臣告示する予定。

 エネルギーの指標にはこれまで身体活動レベルと年齢、性別に応じた1日当たりのカロリー量を、推定エネルギー必要量などとして示していたが、健康の保持増進や生活習慣病の予防の観点からはエネルギー摂取量が必要量を過不足なく充足するだけでは不十分で、望ましいBMIを維持するエネルギー摂取量が重要との方針に転換した。

 目標とするBMIは18~49歳が18.5~24.9㌔㌘/平方㍍、50~69歳が20.0~24.9(同)、70歳以上は21.5~24.9(同)とした。

 また、個別の栄養素等の食事摂取基準量も示した。このうちビタミンKの目安量(1日)は男女とも18歳以上の成人は150マイクロ㌘(10年版は男性75マイクロ㌘、女性60~65マイクロ㌘)と倍増。一方、食塩の目標量(1日)は、18歳以上の成人で男性8.0㌘未満(10年版は9.0㌘未満)、女性7.0㌘(同7.5㌘未満)とした。

 このほか、高齢者の項目ではサルコペニアと栄養についても記述。アミノ酸サプリメントの摂取と週2回のトレーニングで高齢女性の筋量や歩行速度が有意に改善したとの介入試験結果などを紹介した。

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