コラーゲン 今期苦戦 コロナ影響 原料大手3Q、 減収減益(2021.2.25)


 国内コラーゲンペプチドメーカー大手の2021年3月期第3四半期決算が出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、原材料販売に苦戦したもようだ。インバウンド消費の蒸発によって、ドラッグストアなどの店頭で展開される美容訴求商品の販売が減少。海外も同様だったようだ。

 ニッピ(東京都足立区)の21年3月期第3四半期は、売上高が前年同期比19.1%減の263億3000万円、営業利益は同40.7%減の8億2200万円で減収減益。このうち、コラーゲンペプチドを含むゼラチン関連事業の売上高は63億9300万円で、前年同期比は12.9%の減少だった。

 ゼラチンは、グミや惣菜の用途が低調に推移。コラーゲンペプチドは、国内市場でのインバウンド需要激減による影響を受けたとしている。いずれも新型コロナウイルスの感染拡大が打撃となった形だ。同事業の営業利益は、同39.5%減の4億2100万円と落ち込んだ。

 一方、新田ゼラチン(大阪市浪速区)の21年3月期第3四半期。売上高は同13%減の231億3900万円、営業利益は同20.2%減の11億1100万円でやはり減収減益だった。

 同社は、コラーゲン事業の単一セグメント。コラーゲンペプチドやカプセル用ゼラチンなどの販売区分を示す「ヘルスサポート」の売上高は、同0.2%増の108億9200万円と横ばいを維持したが、美容用途のコラーゲンペプチド、カプセル用のゼラチンともに国内売上高が減少。ドラッグストアなど店頭販売の減少とインバウンド消失の影響を受けた。

 海外でも、店頭販売での美容用コラーゲンペプチドの販売減少を受けて売上高が減少。一方で、カプセル用のゼラチンについては、健康維持や予防意識の高まりを受けて販売が上向いたという。また、海外のうちアジア地域では、機能訴求型の美容用コラーゲンペプチドの拡販や、カプセル用ハラルゼラチンの売上高が増加した。ヘルスサポートの売上高が前年同期比並みだった背景について同社は、「日本での売上が減少したものの、アジア地域での美容用コラーゲンペプチド等の販売増加が寄与」したとしている。

通販は堅調に推移
 他方、ニッピの化粧品関連事業の第3四半期売上高は同8.6%増の38億2200万円で増収した。同事業は、通信販売を主とするセグメント。化粧品は、外出自粛による消費マインドの低下から減少したものの、健康食品は、「健康志向の高まりと通信販売の利便性を背景に好調に推移した」という。同事業の営業利益は2億7800万円で、前年同期比は280.9%の増加。

Clip to Evernote

ページトップ