機能性表示食品制度 消費者庁 届出Q&A一部改正(2021.3.25)


 機能性表示食品の届出ガイドライン(GL)と質疑応答集(Q&A)の一部改正が3月22日にあり、即日施行された。改正内容の詳細は、消費者庁のホームページで同日から公開されている新旧対照表で確認できる。GL改正は、主として届出データベース(DB)の改修に伴うもの。届出者への影響は軽微とみられる。一方、Q&A改正では、届出に必要な分析方法を示す資料を作成する際の留意点に関する項目が新設された。

届出GLも一部改正
 今回のGL一部改正は、第8次改正にあたる。主な改正点は、届出DBの入力画面に関わる部分。届出様式への入力状況に応じ、一部自動入力される仕様になったことを反映した。

 同庁によると、今月20、21日に行ったDB改修で、DBにログインする際のIDとパスワードを忘れた場合の再発行について、従来は同庁に問い合わせる必要があったところを、オンライン上で対応可能にしたという。また、対応ブラウザの種類を増やした。届出者の利便性が一層高まったと言えそうだ。

詳細な記載要求 第三者分析前提
 一方、通算で7回目の一部改正にあたる今回のQ&A改正は、届出者にとって厄介な面もあるかもしれない。「生産・製造及び品質管理」のカテゴリーに、「問32」として、「分析方法を示す資料を作成する際に留意すべき点は何か」が新設された。

 その回答では、分析方法資料は「第三者機関において分析できることが前提」であることから「できる限り詳細に分析条件や分析手順を記載する必要がある」とし、資料作成にあたっての留意点を細々と書き込んだ。

 一例を引くと、「全届出共通事項」として、原材料ではなく最終製品における機能性関与成分の分析方法を示す資料を提出すること▽試験に影響を及ぼす可能性のある試薬(特に標準品)の純度やグレード等を記載すること▽分析に供する試料の調整方法(最終製品に関する前処理方法など)を詳細に記載すること──などを求めているほか、「分析方法は査読付き論文や公定法など客観的な評価が行われているのが望ましいが、公定法などがない場合は、表示量付近での添加回収試験や繰り返し分析等を実施し、分析方法の妥当性確認を行うことが望ましい」としている。

設問新設の意図 「予見性に配慮」
 「問32」を新設した意図について、同庁食品表示企画課は、制度施行以来、毎年度実施している機能性関与成分の検証事業(買上調査)を引き合いに出した上で、「共通した課題が見受けられることから、(留意点を)より具体的、詳細に説明することで、(届出者の)予見性を高めた」としている。

 関係者によると、分析方法資料の記述ぶりが各届出で異なるため、第三者機関が機能性関与成分の分析に苦慮することも少なくないと言い、そうした事情も「問32」の新設につながったようだ。
 機能性に関する科学的根拠が得られている量の機能性関与成分が配合され、その量を消費者が摂取できることが機能性表示食品の肝。最終製品販売会社も含め、分析方法への気配りが一層求められることになりそうだ。

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