免疫市場が拡大か 20年、前年比8%増(2021.4.22)


 コロナ下で健康意識が向上していることを背景に、「免疫賦活作用」などの食品市場が拡大傾向にあるとする調査結果を、市場調査会社の富士経済(東京都中央区)が4月12日、発表した。「免疫賦活作用」のほか、「スポーツサポート」「乳酸菌類」などが2ケタ前後で市場が伸長する見込みだという。

 同社では、機能性を訴求する一般食品、サプリメントなどを対象とした「H+Bフーズ」の国内市場調査を実施。市場に参入する企業や関連企業、関連団体などに同社調査員がヒアリングし、関連文献や社内データから市場規模を試算。調査期間は2020年12月から21年2月の3カ月。

 「免疫賦活作用」の20年市場規模見込みは前年比108.6%の1676億円と算出。ヨーグルトなどを対象に市場規模を調べた模様だ。ここ数年は頭打ちの状態が続いていたが、〝健康な人の免疫機能の維持をサポート〟を訴求する機能性表示食品の販売スタートが市場の拡大に寄与すると分析している。

 「スポーツサポート」の20年市場規模見込みは同110.5%の1088億円。外出自粛や即食需要の減少によってパウチゼリーは減少したが、いわゆる「コロナ太り」解消需要を獲得したプロテインパウダーが大きく伸び、引き続き市場は拡大すると見る。

 H+Bフーズ全体の20年市場規模見込みは、同100.8%の2兆4482億円。体調管理需要の高まりなどから乳酸菌関連やビタミン・ミネラル類などの商品が好調に推移した一方で、インバウンド需要の落ち込み、肝機能、美容機能を訴求する商品の需要が縮小するなどのマイナス要因も多く見られ、市場は微増にとどまるとしている。

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