関西に物流拠点新設 ファンケル、需要拡大に対応(2021.6.10)

04ファンケル写真上関西物流センター① 04ファンケル写真下新サービス写真_「サプリと薬の飲み合わせサービス」が進化_飲み合わせ結果画面(イメージ)①

8日に稼働 経営基盤強化の一環
 ここ数年で進めてきた今後の国内外での需要を見据えた生産体制の強化、物流機能の強化などのインフラ整備を、ファンケル(横浜市中区)がこのほど完了させた。総額150億円を投じ、主力化粧品の専用工場やサプリメント専用工場、物流センターを新設するなどして経営基盤を強化した。サプリメントと医薬品の飲み合わせの相互作用をインターネット上で確認できる新たなサービスもスタート。国内外のさらなる需要拡大に対応する体制を整えた。

 ファンケルの西日本エリアにおける商品出荷業務を担う関西物流センター(大阪府門真市)が今月8日から稼働した。投資額は44億円。新たな物流センターの稼働により、現有の関東物流センター(千葉県柏市)と合わせた出荷能力は、現在の1日3.4万件から5万件の1.4倍に拡大する。

 新設した関西物流センターは、関東物流センターが現在取り扱っている全荷物量のうち約35%を受け持ち、グループ会社アテニアの全製品を出荷する。これまでアテニアの製品を出荷していた滋賀物流センターの機能・設備を新物流センターに移管した。

 新物流センターの稼働により、九州や中国、四国エリアへの翌日配送が可能になる。これにより配送費が年間で約2.3億円削減する見込み。また、ピッキングロボットなどを導入して自動化を進めて省人化を図った。

 ファンケルによれば、新型コロナウイルス感染拡大によって通販の利用が増えたことで、20年度の出荷量は15年度比で約130%に達したといい、物流拠点の拡充は喫緊の課題だったといえる。

 「(物流センター新設に伴う)大規模投資で、当社の未来の成長を支える基盤づくりは完了した」。今月3日、関西物流物流センター開所式で挨拶に立ったファンケルの島田和幸社長はそう述べた。これまでに同社では、今後のグローバル展開を見据え、主力化粧品専用の工場や、サプリメント専用工場の新設など、インフラ基盤の強化を進めてきた。

サービス体制も強化 相互作用確認 ネット上でも
 ファンケルは、サプリメントと医薬品を飲み合わせた際の相互作用をインターネット上で確認できるサービスを6月10日から開始した。相互作用に関する情報提供は以前から行っているが、確認方法は電話対応に限られていた。ネットも活用することで利便性をさらに高める。飲み合わせに関する相談件数は年間約2万5000件に上るという。

 新サービスでは、同社が販売するサプリメント約120種類と、日本で処方・販売されている医薬品約3万種類の飲み合わせを確認できるという。

 例えば、青汁と抗凝固薬との組合せについては、青汁に含まれるビタミンKが血液を固める作用があることから、合わせて摂取することの注意を促す文言を画面上で示す。詳細を確認したい場合は、電話で尋ねることも可能。その際、サプリの代替品も案内する。

 相互作用の有無を検索するサービスは中国でも始めている。同社が中国で展開するサプリメントと、中国国内で流通している医療用医薬品およびOTC医薬品を含む医薬品の約11万製品との相互作用を検索できるサービスを昨年1月からスタートさせている。

【写真=左:44億円を投じて今月8日から稼働した関西物流センター 右:相互作用の可能性がある場合は画面上で注意を促す】


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