フォーデイズ、21年3月期業績 4期ぶりの増収に (2021.7.8)


健食事業は4期連続減
 国内ネットワークビジネス大手で、健康食品、化粧品の販売を展開するフォーデイズ(東京都中央区)が6月23日発表した2021年3月期決算によると、同期の売上高は、前年同期比で約7.5億円(2.4%)増加の329億8700万円を計上した。増加は17年3月期以来4期ぶり。だが、健康食品事業の売上高は減少し、18年3月期から4期連続の減収となった。2017年に受けた行政処分の影響から脱しきれていない様子が窺われる。

今期、増加に転じるか
 フォーデイズの発表によると、21年3月期の経常利益は34億4200万円で、前年同期比は約28%の増加だった。当期純利益は、前期比およそ2倍の23億7300万円を計上。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、セミナーやイベントの多くが中止や延期、規模縮小を余儀なくされた中で、増収増益を達成した形だ。オンラインを併用した営業活動を進めながら「新しい生活様式での販売体制構築と管理体制の強化」に努めているという。

 ただ、同社は2017年3月期に429億円台の売上高を計上していた。現在の売上高は当時比でおよそ100億円も下回っている。

 フォーデイズは2017年11月、一部の会員が不適切な勧誘活動を行っていたなどとして、消費者庁から、特定商取引法に基づく一部業務停止命令を受け、6カ月間にわたり新規会員の勧誘、契約に関わる業務を停止した。これにより会員数が減少し、業績に大きな影響が及んだ。

 同社は行政処分を受けた後も決算情報の公表を継続し、業績を詳らかにしている。ここ数年の売上高の推移を見ると、行政処分から数年が経過した現在においても影響から脱し切れていない様子を窺わせる。

 特に、主力事業である健康食品の売上高が上向かない。フォーデイズの発表によると2021年3月期の健康食品事業の売上高は260億4900万円で、前年同期比は0.5%の減少。17年3月期は365億円台の売り上げを計上していたものの、会員数減少の影響を受け、19年3月期は279億円台にまで下落した。以降も前年割れが続いている形だ。

 21年3月期の健康食品事業では、複数の新製品を投入した。また、主力製品の核酸ドリンク『ナチュラル DNコラーゲン』の都合8度目となる「バージョンアップ」を実施。同社では「多くのお客様にご好評をいただいた」とする。しかし、既存製品の落ち込みを補うまでには至らなかった。

 ただ、足もとの健康食品事業の売上高は、20年3月期との比較で減少率が縮小した。もう少しで増加反転に手が届くところまで来ている。新製品の売り上げを引き続き伸ばし、併せて既存製品の動きを復調させることで、22年3月期は増加に転じる可能性も十分ありそうだ。

化粧品事業、好調に推移
 一方で、化粧品事業は堅調に推移している。
 21年3月期の売上高は69億3800万円となり、前年同期比は14.6%増加の2ケタ増を記録した。増加は2期連続。19年3月期はマイナス成長となり、60億円を割り込んでいたが、ここまで順調に回復。21年3月期は18年3月期の売り上げを上回った。将来的には100億円に大台に乗る可能性もありそうだ。

 他方で、アジアを中心に進めている海外事業の21年3月期業績は、フォーデイズの発表によると、新型コロナ感染拡大の影響を受け、「大半の国で売上高・会員数ともに前年比減少」と落ち込んだという。

 ただ、台湾に関しては、「売上高・経常利益ともに前年度に続き過去最高を更新」したといい、コロナ禍の影響はなかった。一方で、ベトナムについては当局から営業許認可の取得が困難と判断し「事業撤退を決定」。新たに、中国とカンボジアでの事業展開準備を進めたという。

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