キリングループ アプリ活用で「効果実感」 (2021.7.8)

07キリン図表①

認知機能サプリの課題解消へ
 キリングループが、機能性表示食品を用いるだけでなく、個別の記憶力状態を数値化することで、認知症対策への意識を高めていく新たな取組みを始めている。

 キリンビバレッジ(東京都中野区)が、長寿高齢化の進展、健康寿命延伸の重要性が高まっている社会的背景を踏まえ、記憶力対策のプロジェクトを7月1日、始動させた。キリングループの独自素材であるβラクトリンを活用し、認知機能の維持をサポートすることで、「最も信頼され求められる、脳ケアサービス」の提供を目指す。

 「キリン 脳ケアチャレンジ」プロジェクトは、βラクトリンを配合した、〝加齢に伴って低下する記憶力を維持する〟ことを訴求する機能性表示食品の飲料と、同プロジェクトにあたって開発した無料の脳トレアプリを組合せ、記憶力対策について〝楽しく継続してもらう〟新たな習慣を提案するもの。

 使用するアプリは、キリン中央研究所や大学・研究機関で進められている脳科学の知見をもとに、信頼性の高い脳トレを導入したという。まずは、シニアの利用頻度の高い歩数計など健康管理項目を導入して接触頻度を高める。次いで、〝記憶力〟〝柔軟さ〟〝集中力〟など5項目の能力トレーニングをゲーム形式で楽しむ。合わせて機能性表示食品を摂取する。「測る」「鍛える」「摂る」の3つの対策を毎日習慣づけることで「脳の健康」維持を促す。

 同社では同プロジェクトを立ち上げた背景として、脳機能分野における商品やサービス単体での「効果実感」がこれまで乏しく、継続性が低いことを指摘。機能性表示食品と脳トレアプリなどのサービスの連動によって、脳の状態を可視化し、「効果実感」を意識させることが狙いだ。

 キリングループでは今後、高齢者住宅や自治体において、機能性表示食品と脳トレを活用した記憶力対策を実感してもらう取組みを全国規模で進めていく方針だ。

βラクトリンに脳血流増加機能 臨床試験で確認と発表
 βラクトリンの最新の研究成果を、キリンホールディングスのキリン中央研究所が先月23日発表した。βラクトリンの摂取によって、加齢に伴い低下する前頭前野の脳血流が増大することを臨床試験で確認した。

 βラクトリンは、グリシン、トレオニン、トリプトファン、チロシンの4つのアミノ酸配列のペプチド。「加齢に伴って低下する記憶力(手がかりをもとに思い出す力)を維持する」働きを訴求する機能性表示食品の機能性関与成分として届出実績がある。

 発表によると、45歳から64歳の健常な男女50名を対象に、脳血流量を測定する二重盲検化試験を実施。その結果、βラクトリン摂取群がプラセボ摂取群と比較して脳血流が統計学的に有意に高まることを確認した。これにより、これまで明確でなかった記憶力や集中力を高めるメカニズムの一端が解明されたとしている。

 今後、機能性関与成分としてのβラクトリンのヘルスクレームに、「脳血流を増加させる」などといった作用メカニズムに関する文言が加わる可能性がありそうだ。

【写真=記憶力や集中力などのトレーニングを楽しみながらすることで、持続的な脳の活性化を実現させる「脳トレ」】


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