後発薬企業、サプリに照準 サワイなど大手が市場参入へ(2021.7.29)


 ジェネリック医薬品(後発薬)を手掛ける各社のサプリメント市場参入が活発化している。ジェネリック医薬品業界大手のサワイグループホールディングス(以下サワイ)や富士製薬工業などが業界参入に名乗りをあげたほか、以前より健康食品事業を展開する日本ケミファは機能性表示食品を来年にも市場投入するなど、各社がジェネリック医薬品製造で培った技術やノウハウを活用した事業化を進めている。

 サワイ(大阪市淀川区)は2030年までの長期ビジョンを今年5月に策定し、「新たな成長分野の開拓」のひとつとして、健康食品事業を始めることを発表した。ジェネリック医薬品事業を中核としつつ、〝薬剤治療に限らない選択肢〟を提供する事業として、健康寿命の延伸をサポートする健康食品の開発を進める。

 健康食品事業について同社は、ジェネリック医薬品とのシナジー効果を目指すものだとし、〝医療と健康〟の中間的な価値テーマを軸に展開するという。未病・予防領域において、ロコモ・フレイル対策、認知症、生活習慣病予防など、健康寿命延伸をサポートできる分野で検討を進めている。今後、他社との連携も含め健康食品事業化を計画していく考えだ。

 また、富士製薬工業(東京都千代田区)は、得意とする女性医療領域の技術を活用して、女性向けのサプリメント開発を進める。いわゆる〝妊活〟向けと、更年期に対応するサプリメントの2品を開発する計画。22年9月期中に、まずは妊活向けサプリを発売する予定だ。

 開発するサプリについて、具体的な原材料などは明かしていないが、「従来からの成分に、新たな成分を加え、製薬メーカー品質の下、エビデンスを伴った付加価値の高い製品を提供」していくことを今年5月の中間決算説明会で報告している。医家向けサプリメントとして開発を進めているという。同社がサプリを手掛けるのは初めて。

医薬技術を活用し「機能性」応用も
 約40年前から健康食品事業を始めている日本ケミファ(東京都千代田区)は、機能性表示食品の販売を始める。ジェネリック医薬品開発で培ったアルカリ化に関する技術・知見を活かし、機能性表示食品の開発を進めている。すでにクエン酸を機能性関与成分に、疲労感軽減をヘルスクレームとするサプリメントを届け出ており、来年に販売を開始する予定だ。また、25年迄に、もう3品の市場投入も計画。国内食品メーカーとの連携も協議しているという。

 また、タキシフォリンの認知症予防効果に関する研究を以前から進め、サプリメント開発を検討する方向性を昨年示した東和薬品(大阪府門真市)。タキシフォリンの研究、開発を進める一方で、北海道・厚真町と連携して、ハスカップなど特産品を用いたサプリメント開発などにも取組んでいる。

 東和薬品では、今年5月に新たな中期経営計画を策定。そのなかで、コア事業としてジェネリック医薬品事業を進化させるとともに、新たな健康関連事業への展開のひとつとして、サプリメントを手掛けることを示している。

 ジェネリック各社がサプリメント市場に参入する背景には、ジェネリック医薬品の取扱いがある程度行き渡ったことがあるようだ。サワイによると、数量シェアは8割近くにまで膨らみ、今後は成長鈍化が見込まれるという。また、薬価下落などによる収益性悪化も指摘している。ジェネリック医薬品各社の収益基盤のひとつとして、サプリメント市場への参入が今後増える可能性はあるだろう。

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