マンカイ 味の素、BtoB展開も(2021.8.26)
事業化図り25年に50億円へ
味の素(東京都中央区)が、「世界最小の野菜」マンカイを主要素材とする粉末飲料『Mankai(マンカイ)』を先月末に新発売した。同商品を第1弾に、同社は今後、葉野菜マンカイを軸にしたBtoB事業を開始する。
先月末に都内で開いた記者会見で、同社は「初年度に3億円(消費者購入ベース)、2025年までに原材料販売を中心とするBtoB展開を含めた50億円規模の事業化、以降は海外を含めた味の素グループ及びパートナー企業との連携により、100億円規模の売上を目指す」と発表した。最終商品の販売、原材料供給のほか、同社製品の冷凍食品やスープなどにも応用し、様々な食品カテゴリーへの展開も計画中だという。
マンカイは、和名がミジンコウキクサという浮草の一種で、葉の直径が0.5㍉の「葉野菜」。野菜でありながら構成成分の約45%以上がたんぱく質で占める点が大きな特長となる。そのほかに、マンカイはビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールほか60種類の栄養素で構成されている。
同社の発表によれば、提携先のバイオベンチャー企業ヒノマン(イスラエル・テルアビブ)独自の水耕栽培技術で、3日後には収穫が可能。栽培期間が短いため、環境負荷が小さいサステナブルな野菜だという。
このマンカイを主要素材とした粉末飲料『マンカイ』は、たんぱく質と1日の野菜摂取目標量の3分の1以上を同時にチャージできる次世代ベジタブルドリンクとして売り込む。
健康・環境志向を背景にした植物性たんぱく質への需要の高まりを受け、同社は日本をはじめ、米国、タイ、ブラジルなどにも同商品の海外展開を図る。
同社は2017年3月にヒノマンとの間でマンカイの日本における独占販売権の取得で合意しており、今回の新商品の開発となったという経緯がある。
【写真=指先ついた粒状に見える直径0.5㎜の葉が葉野菜マンカイ】