未成年のビタミンD摂取 一部で過剰か 消費者庁の調査で判明 保護者の勧めが背景(2021.8.26)


 消費者庁が実施した調査で、日本人の食事摂取基準2020年版に定められたビタミンDの耐容上限量以上にビタミンDを摂取している17歳以下の未成年が、一定の割合で存在している可能性が浮かび上がった。耐容上限量以上にビタミンDを摂取している可能性がある未成年の摂取状況を見ると、サプリメント類からの摂取が多かった。専門家は、ビタミンDを含むサプリメントの摂取は「形状の観点から過剰摂取となりやすい可能性がある」とし、その旨を情報発信していく必要があると指摘している。

 消費者庁が日本・健康栄養食品協会に委託して昨年度実施した調査でわかった。

 この調査は、栄養素等表示基準値変更の要否を検討する目的で、ビタミンDを含む加工食品の未成年における摂取状況などを調べたもの。同庁は25日、調査結果をまとめた報告書を公表した。

 報告書によれば、3~17歳の子の保護者または15~17歳の未成年の約9000名を対象に、直近1週間におけるビタミンDを含む加工食品の摂取頻度をウェブアンケート形式で尋ねた。その結果、ビタミンD含有加工食品を摂取している未成年は4100名と約46%に上り、サプリメント類から摂取している場合が最も多かった。また、4100名の約1%に相当する47名が、日本人の食事摂取基準2020年版が定めたビタミンDの耐容上限量を超えて摂取していると試算されたという。

 同基準では、未成年におけるビタミンDの耐容上限量について、15~17歳では1日あたり90μg、3~5歳では同30μgなどと定めている(18歳以上の成年は年齢階級問わず100μg)。一般的に、耐容上限量を超えて摂取すると、健康被害のリスクが高まると考えられている。

 耐容上限量を超えてビタミンDを摂取している未成年が存在する背景について、同報告書では、「多くの事業者は未成年者をターゲットとしていない」と指摘。そのため、未成年の保護者が、成人をターゲットにした商品を摂取させていると考えられる、としている。

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