明治安田生命の消費者調査 健康のためサプリ 減少か(2021.9.9)


新型コロナ禍前後で比較
 新型コロナ禍で人々の健康意識は高まった一方で、健康増進のために投資するお金はコロナ禍前との比較で減っている──明治安田生命が今年7月に実施した消費者調査でそんな傾向が浮かび上がった。健康増進のためにお金を使う人の割合をコロナ禍前後で比較するとほぼ横ばいだったが、金額については平均2.7万円減少したという。

 調査は、全国20~70代男女5640人を対象にインターネットで行った。明治安田生命は、9月の「健康増進普及月間」に合わせ、健康に対する意識などを調べる消費者調査を毎年実施している。今回は新型コロナ禍における「健康」への影響や変化を中心に調査し、結果を9月6日に発表した。

 それによると、コロナ禍で「健康意識が高まった」と回答した人は約4割だった。その一方で、健康増進のためにお金を使う人の割合は55.7%と、コロナ禍前の19年調査(52.1%)とほぼ同じ結果になった。また、そのために使うお金の平均額は年間約5.3万円にとどまり、19年調査時の同約8.1万円から約2.7万円も減少した。この結果を受けて明治安田生命では、「(健康)意識の高まりがそのままお金を使うことに直結するわけではないようだ」と考察している。

 新型コロナ禍において健康増進にお金を使う人はどのような商品・サービスに投資しているのか。調査の結果、第1位はサプリメントだった。

 ただ、サプリメントにお金を使う人の割合は28.7%と、19年調査時との比較で9.9ポイントも下落した。ちなみに、19年調査時のサプリメントへの投資金額は月間3687円。

 一方で、今回の調査では「ウォーキング・ランニングのウェア・シューズ」に投資するという人が増加。19年調査の16%から21.7%に増えた。自宅で使える「筋トレグッズ・エクササイズ器具」についてもお金を使う人が増えていた。

 今回の調査でサプリメント以外にお金を使う人の割合が減ったのは、「温泉・サウナ」「マッサージ・整体」「スポーツジム」。これらは、19年調査において、健康増進のための自己投資先として高い占有率を占め、費用も比較的高額だった。例えば、スポーツジムは月間平均6975円。しかし、コロナ禍での外出制限や人との接触制限を受け、これらの自己投資先としての割合が「軒並み下がっている」と明治安田生命は指摘。そのため、健康増進のための投資金額が全体的に減少したと分析している。

 だとしても、サプリメントに投資する人の割合が減った理由が外出制限などだとは考えづらい。コロナ禍で健康意識は高まった一方で、財布の紐はより固くなった──そのように推測することが合理的といえそうだ。

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