景品表示法違反 およそ2億円の課徴金(2021.9.23)

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消費者庁、都内販社に命令 違反期間に売上約60億円 
 ウェブサイトなどで含有成分の効能を不当に表示しながら健康食品を販売していたとして、消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けていた都内販売会社が9月15日、同法に基づく課徴金納付命令を受けた。命じられた課徴金額は約1億8000万円に上る。同庁が認定した違反期間に当該商品のみで約60億円を売り上げていた。

 健康食品に関わる景表法違反事件で課徴金が億単位に達することは極めて稀だ。ただ過去、都内のネット通販会社が「酵素食品」のチラシなどで行っていた痩身効果表示を巡り約2億5000万円の支払いを命じられた事例がある。今回はそれに次ぐ課徴金額規模とみられる。

 消費者庁は9月15日、健康食品『ブロリコ』の広告・宣伝表示を巡る景表法違反で2019年11月に措置命令を下していたイマジン・グローバル・ケア(東京都港区)に対し、課徴金納付命令を行い、発表した。課徴金額は1億889万円。

 同庁が認定した課徴金対象行為期間(違反期間)は、16年11月から19年1月下旬までの2年余り。同庁の調べによれば、イマジン社はこの期間に、ブロリコで約59億6300万円を売り上げていた。景表法の課徴金は、違反期間の売上に3%を乗じて算出される。

 ブロリコを巡る景表法違反事件は従来にないものだった。最終商品の広告・宣伝表示で違反を問われたのではなく、それに配合された「成分」の効果を訴求する自社ウェブサイトなどの表示が違反認定されたためだ。

 消費者庁の調べによればイマジン社は、最終商品のブロリコに含まれる成分「ブロリコ」(野菜のブロッコリーに含まれる成分とされる)について、自社ウェブサイト「ブロリコ研究所」を始め冊子やチラシに、「免疫力を高めるブロリコ」「免疫が下がるとあらゆる疾病リスクが高まる」「もっと知りたい! 今話題のブロリコと自然免疫活性成分って?」──などと表示していた。

 これら表示はあくまでも成分ブロリコに関するもの。商品写真なども掲載していなかったが、消費者庁はいずれも最終商品ブロリコに直接的に関わる広告表示と見なし、表示を裏付ける合理的根拠もないと判断。そして優良誤認を認定するとともに措置命令を下した。特定の商品に含まれる成分の効果を訴求する広告・宣伝表示を起点にした初の措置命令事件となった。

【写真=優良誤認を認定されたウェブサイト。「自然免疫成分『ブロリコ』」に関するいわゆる「研究サイト」のつくり】


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