今年度の届出、過去最高更新の気配 21年度上半期まとめ 届出総数513件 撤回も多く(2021.9.30)


 2021年度上半期(4~9月)が30日で終わり、10月1日から下半期がはじまる。そこで、届出番号「G」シリーズ機能性表示食品の21年度上半期届出動向を簡単にまとめてみる。

 まず、21年度上半期の「届出総数」は、30日時点で513件に上った。

 前の年度の届出総数は過去最多の1067件を記録していたが、前年9月末時点の届出件数は372件。前年度スタート時、新型コロナ禍の影響で消費者庁による届出の処理が滞ったことを差し引いても、今年度は例年に比べて届出件数の多い傾向が見てとれる。

 現在のペースで届出が進めば、今年度の届出総数は前年度を上回り、過去最多を更新する可能性がある。一方、今年度、届出総数と同様に前年度を超えてくる可能性があるのが「撤回総数」だ。
今年度は上半期だけで70件超の届出が取り下げられた(30日時点)。特に9月が多く、単月で全体の過半数を占める約40件にも上る届出が撤回されることになった。

 ちなみに、前年度の撤回総数は約160件、前々年度は約90件であり、前年度から撤回件数が急増し始めたことがわかる。背景には何があるのか。消費者庁が昨年4月に運用を始めたいわゆる事後チェック指針が大きく影響している可能性も考えられる。

 一方、21年度上半期の新規ヘルスクレーム、新規機能性関与成分の届出状況はどうか。

 前年度は、「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」(機能性関与成分=プラズマ乳酸菌)、「加齢とともに低下する血管の柔軟性維持に役立つ」(同=プロシアニジンB1及びB3)などといった業界に大きなインパクトを与える新規ヘルスクレームが受理、公開されていたが、それらに匹敵するような届出は今のところ出ていないのが現状だ。

 機能性関与成分も似たような状況で、業界関係者からは、「数ばかり増えている」と冷めた声も聞かれる。

 ただ、現時点では届出公開(受理)に至っていないものの、水面下では、従来なかった機能性表示食品の届出実現に向けた取り組みがいくらでも進んでいる。下半期に受理されることを期待したい。

 なお、21年度が始まる直前の3月22日、消費者庁は届出ガイドラインの一部改正を実施した。

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