OEMメーカー紙アンケート 指定成分制度、認知7割 (2021.10.21)


「聞いたことない」数社
 健康産業流通新聞は、国内サプリメント・健康食品受託製造事業者(OEMメーカー)を対象にしたメールアンケート(一部聞き取り)を9月下旬から10月中旬頃にかけて実施、合計46社から回答を得た。アンケートでは、今年1~9月に件数ベースで受注の多かった素材・成分、直近業績などを聞いた他、厚生労働省が昨年6月に施行した指定成分等含有食品制度についても尋ねた。

「受託してる」約2割
 健康産業流通新聞のOEMメーカー対象アンケート調査で、改正食品衛生法に基づき創設された指定成分等含有食品制度について尋ねたのは今回が初めて。

 制度に対する認知度を、▽詳しく知っている▽聞いたことはあるが、どのような制度か知らない▽聞いたことがなく、どのような制度かも知らない──の3択で尋ねたところ、「詳しく知っている」と回答したOEMメーカーは31社に上り、全体の約7割に達した。

 制度施行から約1年4カ月が経過した。制度所管する厚労省としても安心できる数字かもしれない。

 一方、「聞いたことはある」が7社、選択肢になかった「知ってはいるが、詳しいほどではない」「ある程度知っている」と回答したメーカーが3社、そして、「聞いたことがない」は2社となった。

 健康被害情報の届出を法律で義務付けるとともに、適切な製造・品質管理規範(=GMP)に基づく原材料から最終商品までの安全性確保を制度化した指定成分等含有食品制度は、最終製品販売会社のみならず原材料事業者、OEMメーカーにも少なからず影響を及ぼす。わずかだとはいえ、それを「聞いたことがない」と回答したメーカーが存在することを、厚労省は果たしてどう受け止めるか。

 指定成分等含有食品の製造を受託しているかどうかも尋ねた。その結果、「受託している」が12社、「受託していない」が31社となり、制度認知度の高さの割に受託していないOEMメーカーの方が多かった。

 ただ、アンケート結果を受けた取材では、「受託していない」と回答したメーカーの中に、「以前は受託していた」と話す先が複数あった。

 処方から指定成分等を外す動きが見られたという。指定成分等含有食品に求められる、「指定成分等とは、食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物です」などといった義務表示が敬遠されたのが主な理由のようだ。

 厚労大臣が指定する指定成分等は現在4素材。プエラリア・ミリフィカ、ブラックコホシュ、コレウス・フォルスコリー、ドオウレンの4つだ。これら指定成分等を処方から外す動きが見受けられることは、アンケートで「受託している」と回答したOEMメーカーからも指摘があった。市場に流通する指定成分等含有食品は、制度施行以来、減少傾向が続いている可能性が高い。

 また、アンケートでは、指定成分等含有食品制度について、「(制度を)知らない人が多い。厚労省から消費者に分かりやすく情報発信してほしい」などとして、制度について消費者認知度を高める必要性を指摘する意見が複数寄せられた。

工場視察「リモートで」
 今回初めてアンケートに盛り込んだ設問は他にもある。新型コロナウイルス下における工場見学、視察、監査への対応を尋ねた。

 この設問で用意した選択肢は、①従来通り全面的に受け入れ②工場訪問を原則断り、インターネットを通じたリモートで対応③顧客等の要望に合わせ、工場訪問とリモートの両方に適宜対応④いずれでもない──の4つ。

 その結果、①の「全面的に受け入れ」は3社とわずかにとどまり、②の「リモートで対応」が18社で最多。次いで③の「工場訪問とリモート」のハイブリット型が17社と僅差で続き、④の「いずれでもない」は6社となった(他に無回答が2社)。

 もっとも、アンケートを受けた取材では、②を選んだOEMメーカーから、「絶対に目で見て確かめる必要があるというお客様もいて、その場合はさすがに受け入れた。緊急事態宣言下だったけれど」という声も。また、③と回答したが、緊急事態宣言下では②だったとするメーカーも複数あった。

 「全面的に受け入れ」と回答した先も、その対象を「国の監査」に限定するなど一定の制限を設けていた。「いずれでもない」の場合も、人数制限、健康状態のチェック等を遵守・徹底の上で工場訪問を受け入れていたり、「工場見学はNG、来社はOKのスタンス」だったりと、コロナ下なりの対策を講じていた。

 緊急事態宣言は全国で9月30日に解除された。
 「10月に入ってから(リモートではなく)現場での工場視察の要請が顕著に増えている」とあるOEMメーカーは話す。

 ただ、「リモートでの工場視察などは今後も残っていくと思う」ともコメント。「リアルが求められる部分はリアルで、リモートで済むならばリモートで。今後もお客様などの要望に合わせて適宜対応していくことになるのでは」

受注「やや増えた」多く
 昨年から続くコロナ禍が、サプリメント・健康食品受託製造の受注に及ぼした影響はどうだったのか。2021年1月~9月における受注件数・数量の前年同期比を尋ねた。回答社数は46社。受注件数・数量が、「大きく増えた」「やや増えた」と回答した企業は21社に上った。「やや減った」「減った」は10社。「変わらない」は13社。無回答2社。

 前回調査は今年1月に実施し、20年通年の受注件数・数量について尋ねた。前回は、「やや増えた」「やや減った」がほぼ拮抗する回答数だった。今回の調査では、「やや増えた」が大きく増え、「やや減った」が減少した。コロナ禍1年目の20年は受注件数を減らした企業も出ていたが、21年は受注状況が回復基調にあるようにみえる。

 「やや増えた」と回答した企業の自由記述をみると、「コロナ禍で巣ごもりをする人が増え、買物はネット」「通販、海外向け製品の増加」など、前回調査に引き続き通販向けの製品受注が伸長しているとする声が挙がった。

 また、「IT企業が新たなビジネスとしてサプリメントを始めるケースが増えている」といった声もあり、新規の顧客獲得も進んでいるようだ。

 一方、「減った」「やや減った」と回答した企業からは、「昨年はそれほどコロナの影響は受けなかったが、今年は受注数が影響している印象」「コロナの影響が春頃から顕著になり、稼働率が落ちた」「店舗販売やエステサロンなどに消費者が出向かなくなった」などの声が挙がった。昨年から続くインバウンド需要の消失や外出自粛といった、コロナの影響が今年も尾を引いている様子が窺える。


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