崩壊遅延防止ソフトカプセル アリメントが開発(2021.10.21)

アリメント工業①

技術基盤にリンゴ酸
 サプリメントサプリメント・健康食品受託製造大手のアリメント工業(山梨県南巨摩郡)がリンゴ酸の配合を技術的特徴とする崩壊遅延防止ソフトカプセルを新たに開発し、企業出展した食品開発展(10月6~8日)で発表した。

 ソフトカプセルの崩壊遅延防止が「品質」の観点から特に要求される機能性表示食品の受託開発・製造に活用していく考えだ。また、日米欧で食品添加物として許可されているリンゴ酸の配合を技術基盤とする強みを生かし、顧客ニーズが高まっている海外市場向け製品にも応用していく。

 アリメント工業が崩壊遅延防止ソフトカプセルを開発したのは今回が初。同社R&Dセンターで、崩壊遅延防止機能に優れる食品添加物のスクリーニングを行い、果物などに含まれる天然成分のリンゴ酸を見出した。現在までに特許出願を済ませている。

 リンゴ酸は、日本を始め欧米で食品添加物として認可されている。同社R&Dセンターの下川義之センター長は取材に、「東南アジアでのレギュレーションは現在調査中だが、リンゴ酸に対する規制は考えづらい。海外市場でも通用する崩壊遅延防止ソフトカプセルとすることを念頭に開発した」と述べ、今回開発した新製剤技術を、ここにきて顧客企業からのニーズが大きく高まっている海外向け製品の受託開発・製造に活用していきたい考えを強調した。

 カプセルや錠剤などといったサプリメント形状の食品は摂取後に崩壊することが求められる。崩壊しなければ、配合された機能性成分が消化管内に放出されず、本来の機能性が発揮されないためだ。そのため崩壊性は最終製品の品質に直結する大きな課題となる。

 この点は、国民生活センターが直近では2019年8月に問題提起している。機能性表示食品を含むサプリメント形状食品100銘柄のうち42銘柄が医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったと指摘。これを受け、健康食品GMP認証を行う日本健康・栄養食品協会が、協会認定の健康食品GMP工場に対し、サプリメント形状食品の崩壊試験を義務付ける新方針を打ち出すことになった。

崩壊遅延の防止製品品質に直結
 崩壊遅延の防止を巡っては、特にソフトカプセルが課題になる。錠剤は崩壊剤として使える食品向け添加剤が一部存在するものの、「ソフトカプセル用の崩壊剤は存在しない。だから我々受託メーカーが独自に技術開発するしかない」(下川センター長)ためだ。

 同社によるとソフトカプセルの崩壊遅延は内容物の影響を強く受ける。例えば、ビルベリーエキス+魚油、ビタミンCは、崩壊遅延がとりわけ生じやすい。

 その中で同社が新たに技術開発した、リンゴ酸をゼラチン被膜に添加する形の崩壊遅延防止機能ソフトカプセルは、内容物がビルベリーエキス+魚油、ビタミンCいずれの場合でも、40℃・1カ月の加速試験条件下において、日本薬局法が規定する20分以内に崩壊することが確認されている。4カ月後においても同様に崩壊が確認されたという。

【写真=崩壊試験後の様子。皮膜にリンゴ酸を配合したビルベリーエキス配合カプセル(左)は20分以内に溶解。一方、リンゴ酸を配合していない同カプセル(右)は40℃・4カ月加速試験サンプルの崩壊試験で60分経過後も内容液の放出が認められず、不溶化(画像=アリメント工業提供)】


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