カイゲンF、機能性食品事業の拡充へ 三重大と海藻素材開発 年内目途にサプリ投入 BtoBも視野(2022.2.21)


 医療用・一般用医薬品、健康食品などを手掛けるカイゲンファーマ(大阪市中央区)が、健康・機能性食品事業を拡充する。三重大学と共同研究して紫外線ケアを見出した機能性食品素材を年内を目途にサプリメントとして商品化したうえで、原材料事業にも乗り出すことを検討している。

 同社は18日、三重大学との共同研究で工業化に成功した新機能性食品素材「マリンポリフェノール」(三重大学登録商標)を含有した混合素材が、肌に対する紫外線の影響を低減する効果を有することをヒト試験で確認したと発表。この研究成果をもとに事業構築を進める方針だ。

 マリンポリフェノールは、日本近海で採れるアラメ、サガラメ、クロメ、カジメ、ツルアラメの5種の海藻類に豊富に含まれるフロロタンニン類。三重大学の発表では、「茶カテキン類やブドウ由来ポリフェノールを上回る抗酸化性がある」としている。

 この5種のほとんどが天然海藻類だが、一部養殖もされている。カイゲンファーマによると、最終商品を事業化するだけの収穫量は十分にあるという。原材料事業については、顧客の事情や市場の需要を見据え判断する。まずは、年内の新製品開発・販売を目指す。

 同社はマリンポリフェノールについて、三重大学と2017年から共同研究を開始。今回の試験内容は、健常な日本人の成人女性42名を2群に分けた二重盲検法を実施し、マリンポリフェノール含有混合素材を8週間連続摂取した群において、紫外線を背部皮膚に照射した24時間後の最小紅斑量を測定したところ、摂取前に比して有意な差が認められたという。

 同社は、化学製品を製造販売する堺化学工業の子会社。堺化学が19年に策定した中期経営計画では、新規事業の取組みのひとつに、美容医療領域において、「飲む日焼け対策サプリメント」などを手掛けていくことを公表していた。

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