機能性食品成分の研究・開発でラボ開設 島津製作所と農研機構が支援 健康長寿社会の実現目指し(2023.3.23)


 島津製作所と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が、健康につながる食品・飲料開発を支援する研究ラボを開設した。今後、食品・飲料メーカーにラボの利用を促し、同ラボで得られた知見を蓄積し次世代の食品・飲料研究に発展させ、食を通じた健康長寿社会の実現とイノベーション創出を目指す。

 島津製作所と農研機構の両者が22日発表した。今年3月以降に、カゴメ、はくばく、森永乳業が同ラボを順次利用する予定で、各社が独自のテーマで研究開発を進めていく。

 新たに開設した「NARO島津テスティングラボ」は、島津製作所の開発棟「ヘルスケアR&Dセンター」内に設けた。同ラボでは、食品・飲料メーカーの研究員が企業ごとに1カ月単位で入居する。入居者は機能性成分の探索や、その含有量を測定する高速液体クロマトグラフ質量分析計や、香り成分を評価できるガスクロマトグラフ質量分析計など最新の分析計測機器を利用して研究を進展させる。

 島津製作所と農研機構は、2019年から食品の機能性成分に関する共同研究に取組み、同年8月には機能性成分に関する科学的エビデンスの蓄積や新たな農産物開発を目的とした「食品機能性解析共同研究ラボ」を開設。22年からは健康長寿につながるシステムの構築・開発を目指すセルフケアフード協議会を共同で設立し、共同研究の第1フェーズでは茶葉中カテキン類の分析開発などで成果を挙げ、現在進めている第2フェーズでは第1フェーズで得たデータを活用し、健康に役立つ食品・飲料の研究開発を進めている。

 島津製作所は同日発表した3カ年の中期経営計画のなかで、今回発表したラボ活用による研究開発支援のほか、健康食提案などの健康トータルソリューションの提供などによる、科学的な分析を基礎とした機能性食品などによる健康長寿社会の実現を目指すことを掲げている。

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