未熟トマト成分に抗うつ機能 「トマチジン」など 金沢大が研究発表(2023.9.14)


 金沢大学は14日、トマトの茎葉や未熟果実に高含有するステロイドアルカロイドやその配糖体に、抗うつ機能を確認したと発表した。同大医薬保健研究域薬学系の出山諭司准教授らの研究グループの成果。論文は同日、国際学術誌「Nutritional Neuroscience」のオンライン版に掲載された。

 ステロイドアルカロイドはトマチジン、配糖体はα‐トマチン。

 薬剤で既に確認されている抗うつのメカニズムは、脳の内側前頭前野における細胞増殖などに関わるリン酸化酵素複合体「mTORC1」のシグナル活性化。このため研究グループは、同シグナルを活性化する食品由来成分を探索した。

 うつ病モデルマウスを用いた試験の結果、トマチジンとα‐トマチンに有用性を見出した。両成分を多く含むトマトの未熟果実や葉茎は、生産過程で廃棄される摘果果実などでもあることから、同大ではSDGsの推進にも貢献できる可能性があるとしている。

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