資生堂、健康美容事業を本格始動 来年2月にサプリや飲料 ツムラ、カゴメと共同開発(2023.9.21)


 資生堂(東京都中央区)は、ツムラ(東京都港区)やカゴメ(名古屋市中区)と業務提携し、健康美容を中心とする新事業を来年2月から本格始動すると20日に発表した。まずはツムラ、カゴメそれぞれと共同開発したサプリメント、飲料を市場投入し、2025年以降には中国をはじめとするアジア地域への進出も計画する。10年以内に売上高で数百億円規模の事業へと成長させていく方針。新事業の対象顧客は国内で約2800万人を見込んでいる。

 同社の新事業は、パートナー企業との共創を取り入れたインナービューティブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS (シセイドウ ビューティー ウェルネス)」(SBW)。SBWの第1弾としてツムラとはサプリメント、カゴメとは健康飲料の分野で、それぞれ共同研究開発した商品を新事業立ち上げとともに日本国内で発売する。漢方薬に強みをもつツムラとは「東洋思想の五臓(肝・心・脾・肺・腎)」、トマトをはじめとする野菜・果実のおいしさや健康価値を活かした飲料と食品等の研究開発を強みとするカゴメとは「野菜の力」から着想を得た共同研究、商品・サービスの開発を進める。

 資生堂が実施した調査「20代から60代の女性の74%が肌・身体・心の繋がりを感じ、また、72%がキレイになるために内側から整えることが必要だと感じている」といった結果や、同社の店頭で活動するパーソナルビューティーパートナーの96%が客から健康や栄養に関する相談を受けている事例などから、健康、美容領域の需要が高まっていると判断し、SBWを立ち上げた。SBWは、資生堂の100超のライフサイエンス研究とデータサイエンスを活用し、肌・身体・心の関係性を解明した美の独自の知見をもとに、パートナー企業との共創を取り入れた商品やサービスの展開を図る。

 同社の藤原憲太郎社長は今回の件について、「体や心の調和が取れた健康美を実現するため、新しい価値を提案し新市場を作っていきたい」と語った。

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