健康食品の苦情、増加傾向に JARO 24年度上期審査状況 精力増強を謳う広告多く(2025.1.10)
日本広告審査機構(JARO)は7日、2024年度上半期(4月~9月)の苦情・照会などの審査状況を発表し、ここ数年減少傾向にあった保健機能食品を除く健康食品への苦情が増加傾向にあることを明らかにした。精力増強を謳う広告への苦情が急増。保健機能食品の苦情も前年を上回った。
JAROが24年上半期に受け付けた苦情、照会などの相談受付件数は、前年同期比95.1%の5311件。そのうち苦情件数については、過去最多だった20年度から漸減し、同92.3%の4095件。苦情で減少が目立ったのは、媒体別で268件減った「テレビ」、内容別で196件減の「価格や取引条件等」、年代・性別で118件減の「20代男性」だった。
苦情の業種別トップは251件の「医薬部外品」(同99.2%)。「1回限り、解約不要、追加料金なし」と大書しながら実際には購入する画面で定期購入契約となることが分かりにくく表示され、解約に追加料金がかかるといった事例をあげている。また、シミを表現した加工の画像への不快感も多かったという。
増加が目立ったのは194件の「健康食品」で前年から49件増えた。同期は、精力増強を謳う広告が前年9件であったのが80件と急増している。その多くが性的なビジュアルを使用し、「卑わいである」とし、「広告を非表示にすることができない」「一般的なサイトを閲覧していて表示される」などの苦情が多数寄せられた。
保健機能食品への苦情も増えており、前年の80件から38件増の118件だった。保健機能食品の苦情件数は以前から増加傾向を示していた。
20年度は75件、21年度が51件と件数を減らしていたが、22年度は171件と大きく増加に転じ、23年度も引き続き苦情が増えて188件で、その大半が機能性表示食品によるものだった。