健康食品・サプリ支出、一転大幅増加 1300円超の急上昇 無職世帯は2千円超える 家計調査(2025.6.9)


 総務省統計局が、6月6日付で公表した2025年の家計調査報告4月分(2人以上の世帯)では、健康食品・飲料やサプリメントなどが含まれる「健康保持用摂取品」の1世帯当たりの支出額は1301円で、前年同月比実質は34.4%増となった。増加は3カ月ぶり。

 昨年同月は、968円で同15.7%減。小林製薬のいわゆる紅麹問題が起きた直後だったため、非常に厳しい数字だった。今回の好結果は、こうした前年の反動による吹きあがりの要素もあるが、1300円の大台を突破したことも大きい。経済産業省の商業動態による健康食品分野の数字も前年比9.6%増と好調を維持しており、本格的な健康食品市場の景気回復への期待がかかる。

 世帯別に見ると、勤労者世帯は781円で実質18.7%増と大きく増加。勤労者世帯の健康食品支出額は14カ月ぶりの増加となった。昨年同月は、658円で30.8%減。少なくとも過去4年間において最も厳しい数字だった。

 健康保持用摂取品を購入するメイン層とみられる無職(高齢者)世帯は2211円で、実質54.6%増と、過去最高レベルの伸び率となった。2000円の大台を超えるのは2018年以来。いわゆる紅麹問題が起きてからは、最高で170円を超えた月が2回あっただけだった。

 2人以上の世帯消費支出は、1世帯当たり32万5717円。前年同月比実質0.1%の減少で、名目では同4.0%の増加だった。総務省は「野菜類の価格高騰が鈍化し、食料品への支出が増加。8カ月ぶりにプラスとなった。貯蓄ではなく、消費に回る動きも出てきている。今後の傾向を注視したい」としている。

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