長命草の抗肥満成分発見 琉球大学(2014.3.20)
沖縄・与那国島で栽培されている長命草(ボタンボウフウ)の抗肥満作用(動物試験)を論文報告していた琉球大学熱帯生物圏研究センターの屋宏典教授ら研究チームがこのほど、その関与成分はクマリン化合物の一種、「プテリキシン」であることを突き止めた。脂肪細胞や肝臓細胞での中性脂肪の合成を抑制するとともに、筋肉細胞では脂肪燃焼の促進に働き、体脂肪の蓄積を抑制する作用を同成分が持つことを確認した。
この研究成果は、栄養学専門誌「ニュートリション」(エルゼビア社発行)のオンライ版に先ごろ掲載された。屋教授によれば、長命草中の抗肥満成分が発見されたのは今回が初めて。「足かけ9年の研究でようやく突き止めた」という。今後、ヒト介入試験を実施し、ヒトに対する抗肥満作用を明らかにしたい考えだ。
同教授によると、プテリキシンの含有濃度には地域差が認められ、「南の地域で生産されるものほど濃度が高いことも示唆される」としている。なお、一連の研究は、日本ランチェスター工業との共同研究によるもの。