サプリメント市場、伸びが鈍化 25年見込み1兆876億円 定期顧客の回帰弱く 富士経(2025.11.20)


 市場調査会社の富士経済は、サプリメントの国内市場を調査し、2025年の市場規模(見込み)は前年比0.4%増の1兆876億円と試算する結果を14日発表した。25年の市場はインバウンド需要の好調が続いているものの、24年に発生した健康被害問題による定期顧客離れが、25年に入ってもその回帰が弱く微増にとどまるとした。

 同調査では、健康食品業界に参入している企業、関連企業、団体などへのヒアリング、関連文献調査、社内データを活用し、サプリメントの国内市場規模を算出した。調査期間は25年6月~9月。

 24年の同市場について富士経済では、コロナ禍の収束に伴い通販の新規顧客減少などで市場が停滞しつつあるなか、同年には一部サプリメントによる健康被害問題が発生したことで、カテゴリーを問わず定期購入の解約や広告のレスポンス低下などがみられ、市場は14年以来のマイナスに転じた。25年は離脱した定期顧客の回帰が弱く微増で着地すると分析。

 訴求機能別では、コレステロール対策や類似する訴求の生活習慣病予防関連が苦戦。一方、プロテインブームが継続しているスポーツサポートや、若年層向け商品に多い美容訴求の商品は好調に推移している。また形状別では、グミ形状の商品が高い伸びをみせるなど、一般の加工食品の形状に近い商品が需要を取込んでいるという。さらに健康食品のメインターゲットの「シニア層のサプリメント離れが危惧されるなか、SNSのプロモーションなどにより若年層の需要を獲得しているグミが今後も伸びが期待される」としている。

 なお、注目している市場として、プロテインやアミノ酸などの「スポーツサポート訴求サプリ」、コラーゲンやプラセンタ、ヒアルロン酸などの「美容効果訴求サプリ」を挙げている。

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