冬虫夏草菌糸体が脳・神経系に作用 ロート製薬 ロンジェビティの社会実装へ
(2026.9.28)
ロート製薬㈱(大阪市生野区)は、冬虫夏草の菌糸体の長期投与が脳内の神経回路形成とエネルギー代謝回転を活発化することを示唆する研究成果を28日発表した。同社では「伝統的薬用素材である冬虫夏草の中枢神経系に対する作用を、遺伝子発現と代謝の両面から科学的に捉えた研究」だと示している。今後、作用に関わる成分や標的分子を明らかにし、科学的根拠に基づく「ロンジェビティ」サイエンスの社会実装ができる製品設計につなげ、「脳の健康を軸としたウェルビーイングの実現に貢献」することを目指す。
同社は昨年、冬虫夏草がゼブラフィッシュの中枢神経機能をサポートする可能性を報告していたが、その作用を支える脳内の分子、代謝メカニズムは不明だった。今回の研究では、冬虫夏草の長期投与後の脳について遺伝子発現と代謝物を網羅的に解析し、神経回路形成とエネルギー代謝への影響を検討した。
ゼブラフィッシュに冬虫夏草粉末を500mg/kg体重/日の用量で6カ月投与して脳の遺伝子発現を解析した。冬虫夏草投与群では神経細胞同士のつながりの形成や情報伝達、神経回路の組み替えに関わる遺伝子(軸索誘導・神経回路形成、セロトニン受容体、神経細胞の成長・分化など)の発現増加を確認。これらの結果から同社では、冬虫夏草の長期投与は、神経回路の「形成・維持」、それらを支える「エネルギー基盤」といった複数の側面から中枢神経に作用する可能性が示されたとしている。
同研究は、三重大学との共同で実施。8月末に開催された第43回和漢医薬学会学術大会において、「ゼブラフィッシュを用いた冬虫夏草長期投与における抗不安・学習機能向上作用と脳内代謝シフトの解明」の演題で口頭発表している。