未病改善モデル 実装試験 ヘルシーエイジングラボ AIとサプリ組ませ継続的な健康行動を探る(2026.10.22)
合同会社HAL(ヘルシーエイジングラボ、長野県佐久市)は、AIによる気づきとサプリメントによる体感を組み合わせ、健康行動の継続を支える「ヘルス・アクション・ループ(HAL)未病改善モデル」を開発し、北海道釧路市で20週間に及ぶ、実装フィールド試験を進めている。定期購入で顧客を縛るのではなく、消費者が自ら続けたくなる仕組みで、サプリ業界の「継続の壁」に挑む。
アルプス薬品工業㈱(岐阜県飛騨市)が販売している、水溶性ケルセチン製剤「ユビオケルセチン」の開発を主導し、同社の経営技術上席顧問も務める小野光則代表取締役(理学博士)は、サプリ市場について、機能性表示による訴求が継続購入に十分つながっていないとみる。「続ける理由を体感しにくく、機能訴求の商品も似通っている」と指摘。そのうえで、未病を人生の節目に生じる心身の揺らぎ「節目不調」と捉え、生活習慣を自ら整える意識と行動を取り戻してもらう考えだ。
HALモデルは、継続を妨げる要因として「忘れる」「評価される」「結果が出ない」「面倒くさい」の4つに着目した。参加者が週1回、睡眠や食事など生活習慣の6要素を含む10問のセルフチェックにスマートフォンで答えると、AIが振り返りのメッセージを届ける。サプリによる体感を小さな報酬と位置付け、本人が感じた変化への気づきと納得を、次の行動につなげる。
AIは文章を生成せず、事前に決めた基準で回答を判定し、倫理審査で確認を受けた5タイプの定型文から振り返りを選ぶ。医療的な判断や診断、治療の指示は行わない。
釧路の試験には40歳以上の勤労者約150人が参加。最初の8週間は伴走者がAIの振り返りを確認して届け、残りの12週間はAIのみで運用する。サプリの効果・効能の証明ではなく、人の伴走が終わった後も健康行動が続く条件を探る研究だ。高齢化と人口減少が進む同市を「日本の地方都市の将来を先取りしている」(小野代表)として選んだ。最初のグループは年内、最後のグループは来年3月に終える予定。
目指すのは、伴走やAIの支援が終わっても、自ら健康行動を続けられる状態だ。プログラムの終わりを「卒業」と位置付け、サプリの継続も本人の意思に委ねる。
このAI支援モデルの開発を主導し、有機田七人参、「白井田七」の、㈱アドバンスのオーナーでもある、白井博隆取締役(経済学博士)は「本物の商品を提供しているのであれば、卒業しても欲しい方は絶対続ける」と話す。いったん摂取をやめる選択も受け入れ、その上で再び選ばれるかを、自らの商品づくりを問う機会と捉えている。 研究結果を踏まえ、通販や小売、企業の健康経営、自治体の健康づくり事業への展開を検討する。研修を受けた販売店などが伴走者を担う形や、他社の商品に継続支援プログラムを組み合わせる形も想定する。
体感を支えるサプリとして用いるのが、同社の「ヘルシーバランス」だ。小野代表は、日々の小さな変化を感じてもらうため、大腸を起点に働く天然素材に着目したと説明する。
古くから「金不換」と呼ばれた田七人参と、「延寿」の名を持つエンジュ由来のケルセチン配糖体「ユビオケルセチン」を黄金比7対3で配合し、安定化のためにビタミンCを加えた。
他社製品に配合するプレミックス「ヘルシーバランス・インサイド」としての展開も計画し、配合量や製剤設計まで同社が対応する。小野代表は「サプリの中のインテルになりたい」と素材ブランド化を見据える。「今はコンセプト優先の実験段階。『御社のサプリに体感の土台を』と打ち出したら、業界がどんな反応をするのか楽しみ」と話している。