コラーゲンペプチド、褥瘡治癒作用アルギニンと同等(2013.8.29)


 コラーゲンペプチドの摂取はアルギニンと同等ないしそれ以上の褥瘡治癒促進作用が示唆されることを栄養療法食品製造販売のニュートリー㈱はじめ㈱ニッピのバイオマトックス研究所らが動物試験で明らかにし、研究成果をまとめた論文が学術誌「薬理と治療」に掲載された。褥瘡とはいわゆる床ずれのことで、アルギニンはその予防や治癒促進に必要な栄養素として重視されている。

 研究成果は今月19日から神戸で開催される日本褥瘡学会学術集会でも発表する。また同会では「褥瘡患者の栄養サポート」をテーマにしたランチョンセミナーが同学会とニュートリーの共催で開かれる。

 論文によると、試験では褥瘡モデル動物に体重1㌔㌘当たりコラーゲンペプチド0.2㌘/日、同0.1㌘ないし0.2㌘/日のアルギニンを1日2回に分けて経口摂取させ、褥瘡の治療率の推移、傷の面積比や治療率の推移などから褥瘡治癒促進効果を調べた。

 その結果、治癒率についてコラーゲンペプチド群では摂取開始19日目から治癒の完了が観察され、アルギニン群、対照群に比べて早い時期から治癒率増加が認められた。また、治癒日数についてもコラーゲンペプチド群は約21日と、対照群と比較して有意に短縮。傷の面積比の総和については、対照群と比較してコラーゲンペプチド群でのみ有意な低値が認められたという。

 Lアルギニンに褥瘡治癒促進作用があることは以前から報告されていた。一方、論文では、血中遊離アミノ酸などの測定結果から「アルギニンとは異なる機序が示唆」されるといい、コラーゲンペプチド由来のオリゴペプチドが同作用に関与している可能性があるとしている。 なお、ニュートリーはコラーゲンペプチドを1本当たり10㌘配合した飲料を今月19日から新発売する。

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