消費者庁案、「議論が必要」と指摘 規制改革会議・森下委員(2014.5.15)


 規制改革会議委員の森下竜一・大阪大学医学部教授は11日、今月2日に開かれた消費者庁「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で同庁が示した機能性表示に関する対応方針案について、「これから閣議決定にあった内容でまとめ上げていくと理解している」と健康産業流通新聞の取材にコメントし、現時点では、案の一部と閣議決定の間に齟齬が生じる恐れがあるとの認識を示した。

 森下委員は、同庁が2日、新制度では表示しようとする機能性について①最終製品を用いた実証②適切なレビューによる実証のいずれかが必要だとする考えを示した点について、「議論が必要」だと指摘。特に、最終製品での実証が盛り込まれた点に関し、新制度は生鮮食品まで対象にしていることを踏まえれば「矛盾している」などとした上で、特定保健用食品に近い制度では閣議決定の内容に合致にしないとする懸念を示した。

 また適切なレビューによる実証に関しても、システマティック・レビューに基づき企業責任で評価を行うとされた点について、同一の機能性成分でも企業ごとに違う判断を様々するケースが想定されるため、逆に消費者が混乱する可能性があると指摘。そのため、企業責任による評価のほかにも、専門学会など学術団体等によるエビデンス評価も取り入れるべきだとしている。

 一方で、同庁がこれまでに示した安全性確保に関する対応方針案に関しては、「妥当だろう」として評価。また、機能性表示の対象成分について直接的あるいは間接的に定量できる成分とした点や、複数の機能性成分の表示を可能とする案を示している点についても、「合理性があり、評価したい」という。

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