クリルオイル 中国企業も参入へ 大連海洋漁業集団公司(2014.5.26)


 中国・遼寧省の大連海洋漁業集団公司が南極オキアミオイル(クリルオイル)の販売準備を進めている。2009年からオキアミ事業を開始していた同社では、南極オキアミ漁獲船を計3隻保有し、原材料調達から原料製品化まで自社で行う体制を整えている。22日に都内で開催された「第1回 クリルオイル研究会」に同社テクノロジーセンターのジャン・ゴウ氏が登壇し、説明した。

 同氏によれば、同社による南極オキアミ漁獲量は13年シーズンで約2万6000t。これを原材料とするクリルオイルの現時点の年間供給能力(計画ベース)は計100tで、リン脂質の含有量別に2種類のクリルオイルを用意しているという。原料販売のほかキャンディ、ドリンク、カプセルなどの形態の最終製品としても販売していく計画だ。

 中国では、国内での食経験がない食品原料を販売するには食品としての安全性を確認し、「新食品原料(旧・新資源食品)」として許可・登録される必要がある。大連海洋では今年1月にクリルオイルについて同許可を取得した。同氏の話によるとほかにも海外4社を申請会社とするクリルオイルに対し、同許可がほぼ同時期に下りている。

 大連海洋マーケティングマネージャーの話によれば、同社が製造するクリルオイルの販売実績は中国でもまだない。機能性が表示できる保健食品としての許可が下りていないためだという。ゴウ氏は講演の中で、クリルオイルで適用できる保健機能としては、血中脂質降下、記憶力改善、アルコール性肝障害低減の3機能で可能性があると話した。

 同社では今後、中国のほか、欧米やオセアニア市場にクリルオイルを販売していく方針。日本についても、「計画している」(マーケティングマネージャー)という。

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